ローレルの特徴
ローレルは香りが良く、煮込み料理やカレーのテンパリングなどによく使われるスパイスです。
生葉は香りが弱くクセのない爽やかさと苦みを持ちますが、乾燥させると香りが強くなり甘味が増すため、基本的には乾燥品の方が料理に向いています。
地中海沿岸が原産で、ベイ、ローリエ、月桂樹、ベイリーフなど多くの呼び方があり、ローレルで作った冠は月桂冠と呼ばれます。
古代ギリシャ時代から用いられてきた栄光・名誉の象徴として有名ですね。ギリシャ・ローマあたりの石膏像がよく頭につけているアレです。
ローレルの味・香り
清涼感のある香りでやや苦みを感じられる。乾燥すると甘い芳香が強くなる。
料理での活用方法
ローレルは基本的に香り付け目的で使われるスパイスなので、調理の途中または調理が終わったら取り払います。長く似すぎると苦味が出てくることも。使う時は葉を軽く傷つけたり揉んだりすると、香りの出が良くなります。
肉や魚の臭みを取る効果があるため、煮込みや焼き物に便利。ピクルスやマリネなどの漬け物系料理の風味づけにも役立てられます。
ローレルが良く使われる料理
スープ・煮込み
ローレルの香りはゆっくりと広がるためビーフシチュー、ポトフ、カレーやスープストックに入れて煮込むと爽やかな風味に。
ローレルだけでも十分ですが、複数のハーブをまとめてブーケガルニを作り煮込みに加えるのもおすすめです。
コンソメスープ、オニオンスープ、ミネストローネなどの野菜系のスープ、ペシャメルソースなどの牛乳系のソースとも好相性。トマトともよく合うので、トマト料理でも使いやすいスパイスです。
ロールキャベツや煮込みハンバーグでもいい味を出してくれます。
ピクルス・マリネ
ローレルの香りは強すぎず爽やかなので、野菜のピクルスや魚介類のマリネづくりにも便利。
ディルシードやフェンネルシード、コリアンダー、クミン、ニンニク、レモン、唐辛子などと一緒に漬け物に使うと良い風味になるので、余ったローレルがあれば是非使ってみて。魚の焼き物にも良く、ローレルと一緒に焼くと臭み消しになります。
その他の活用法
乾燥粉末のローリエは、ソーセージや肉の詰め物の消臭に使いやすいです。スイーツに使うイメージはありませんが、フルーツのコンポートやライスプディングなどに加えて食べることもできるそうです。
ローレルを使った主な料理と合わせやすい食材
ビーフシチュー、ポトフ、カレー、コンソメスープ、オニオンスープ、ミネストローネ、ペシャメルソース、ブーケガルニ、マリネ、ソーセージ、肉詰めなど
組み合わせやすい素材
食材
牛肉、鶏肉、羊肉、魚、ジビエ、インゲンマメ、レンズマメ、米、トマト、柑橘系のフルーツなど
ハーブ・スパイス
オールスパイス、ガーリック、ジュニパー、セージ、マジョラム、セイボリー、タイム、オレガノ、パセリなど
効能・効果
- 利尿作用
- 鎮痛作用
- 鎮痙作用
- 鎮静作用
- 抗菌作用
使用時の注意点
長期摂取や多量摂取は避けるようにしてください。
ローレルの基本情報
学名 | Laurus nobilis |
英名 | Bay laurel |
別名 | ノーブル・ローレル、ベイツリー、スイート・ベイ(英語)、ローレル(フランス語) |
和名 | ゲッケイジュ(月桂樹) |
科名・属名 | クスノキ科ゲッケイジュ属 |
原産地 | 地中海沿岸、西アジア |
使用部位 | 葉 |
ローレルは高さ10mに育つこともある常緑高木で、クスノキ科の植物です。
濃い緑の葉は茎に互生し、楕円形で光沢があるのが特徴。葉の縁はやや波打っています。
雌雄異株で春、4~5月頃になるとクリーム色の小さな丸い花を咲かせます。
歴史・エピソード
ギリシア神話ではローレルにまつわる有名な話があります。
エロスが放った矢によってアポロンはニンフ(妖精)のダフネを追い求め、困ったダフネが河の神に依頼して変えてもらった姿がローレルなのだそうです。
ダフネを失い悲しんだアポロンは、もとはダフネだったローレルから月桂冠を作り身にまとうようになったといいます。