ハーブ製剤で使われる主な基剤について|種類と特徴をざっくり紹介!化粧品・チンキなどを作るのに必要な材料類

ハーブ製剤で使われる基剤について 種類と特徴

ハーブは食用だけでなく、植物成分はチンキや軟膏、肌用クリーム、化粧水などの原料として使うこともできます。

ハーブに含まれる植物成分を活用して作るわけですが、これらのケア用品を作る際にはハーブとは別に必ず「基材」が必要になります。

具体的な基材には精製水やアルコール、植物油、ミツロウ、グリセリンなどがあり、これらを使うことでオリジナルのケア用品が作れるようになります。

目次

ハーブの活用に役立つ基剤とは?

ハーブ製剤で使われる基剤について 種類と特徴

製剤と基材

前提として、ハーブを使ってつくるチンキや軟膏などの加工品のことを「製剤」といいます。

また、製剤を作る時に必要なハーブ以外の材料を「基剤」といいます。

主なものには植物油、アルコール、ミツロウ、グリセリン、クレイなどがあり、化粧水やクリームなどの外用品を作る時に使われることが多いです。

上記以外では水も基材となるためハーブティーも「ハーブ製剤」の1つとなります。また、製剤としてのハーブティーは煎剤と呼ばれます。

製剤と基材の違い
  • 製剤 … チンキ、軟膏、化粧水、クリーム剤など完成したもののこと
  • 基材 … 植物油、アルコール、ミツロウ、グリセリン、クレイなど材料になるもの

ハーブと基材でW効果が期待できる

ハーブは様々な植物成分を含んでいますが、基材自体にも様々な成分が含まれています。

例えば、植物油は ココナッツや麻の種子など原料である植物の種子などを圧搾して作られますが、油を搾る際にその原料に含まれる成分も一緒に抽出されます。

例えば麻の種子から取れる亜麻仁油には、オメガ3系脂肪酸やα-リノレン酸などの身体にとって有用な成分が含まれています。

さらに、これらの植物油にハーブを一定期間浸すことで、ハーブの有効成分を抽出させた「浸出油」が出来上がります。

この浸出油と保湿効果のあるミツロウを組み合わせて軟膏を作れば、肌に優しく潤いをあたえながら肌の不調を改善するハーブ軟膏が作れます。

主な基材の種類

ハーブ製剤で使われる基剤について 種類と特徴

水も基材の1つです。既に書いた通りハーブティーは「水」を通して有効成分を取り出します。

具体的には水道水・ミネラルウォーター・精製水・芳香蒸留水などがあり、ハーブティーや湿布、化粧品など水溶性成分を抽出して作る製剤に使われます。

水道水、ミネラルウォーター

人工的にミネラルを添加したミネラルウォーターの方が栄養価が高くなりますが、水道水も浄水器などを使えばある程度質が改善されます。

主にハーブティーや、お湯にハーブと布を浸して作る湿布剤に使われます。

精製水

中でも精製水は水道水の中に含まれる塩素やミネラル、菌類などの不純物を取り除いて作られます。

水道水で化粧品などを作ると、水に含まれる消毒剤の塩素が肌に不要な刺激を与えてしまうことがあります。そのため、精製水は手作り化粧品や手作り石鹸などには欠かせません。

普通のスーパーなどでは手に入らないため、薬局などで購入します。

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芳香蒸留水

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芳香蒸留水とはハーブから精油を抽出する際に作られる副産物で、その名の通り香りのある水のことです。

「フローラルウォーター」「ハーブウォーター」などとも呼ばれ、基材としては「ローズ水」となど「○○水」の呼称もあります。化粧品のパッケージにある成分表で見かけることがあるかもしれませんね。

主な芳香蒸留水の種類には、ローズ・ネロリ・ラベンダー・カモミールなどがあります。

精油ほどではないですがほんのりと穏やかな香りがあるので、香りを使った製剤、例えばローションやクレイを使ったパック剤などに向いています。また、そのまま化粧水として使うこともできます。

アルコール

エタノール

糖質を微生物(酵母菌)で発酵させてつくるアルコールの一種で、ハーブを使ったチンキを作る時には必須の基材です。

お酒の主成分となる「酒精」と同じ種類で、エチルアルコールとも呼ばれます。基本的には無味無臭で、水溶性・脂溶性両方の成分を抽出させる効果があります。

アルコールには抗菌作用、除菌作用などがありますが、エタノールも同じでハーブと組み合わせるとこれらの作用が期待できます。

無水エタノール

水を希釈していないエタノールのことで、純度が高く主に殺菌、消毒、掃除などに用いられます。

無水エタノールはアルコールの原液といってよく、肌への刺激が強くてアルコール臭が強烈です。

肌に含まれる水分を蒸発させる働きがあり、原液に直接触れると肌が荒れ硬化するため、必ず手袋や換気をしたうえで使うようにする必要があります。

トウガラシチンキなど外用チンキを作る時に使われる基材です。内用には使わないようにしてください。

エタノールの種類エタノールの濃度
消毒用エタノール濃度76.8~81.2%
エタノール濃度95%~95.5%
無水エタノール濃度95.5%~

ウォッカ

ウォッカは伝統的には穀類(大麦、小麦、ライ麦、ジャガイモなど)を蒸留した後に、白樺の炭を濾過して作られるそうで、ロシアでは定番の「蒸留酒」の一種です。

ウォッカは寒い地域で体を温めるために作られてきた歴史があり、他のお酒と比べると全体的に濃度が高いのが特徴です。

ハーブ製剤では通常40度以上濃度があるもの使い、主に内用チンキを作る時に使用します。

酒屋などお酒を多く扱うお店でで入手しやすいです。

植物油

ハーブ製剤で使われる基剤について 種類と特徴

植物の種子などを圧搾して得られる油で様々な種類があります。調理にも使われるオリーブ油、コーン油、紅花油、亜麻仁油などが有名ですね。

その他、アロマの世界ではよく使われるスイートアーモンド油やマカデミアナッツ油などがあり、オイルごとによって含まれる有効成分が違います。

ハーブ製剤では主に浸出油や軟膏を作る時の基材になります。

また、種類によってはマッサージ用のオイルとして使うこともでき、精油と組み合わせれば香り付けもできます。

基材として植物油を利用する場合は必ず天然のもの(加熱など手を加えていないもの)を用います。

スキンケアでおすすめの植物油
  • アルガン油 … ビタミンEが豊富で抗酸化や血行促進効果に優れる
  • オリーブ油 … オレイン酸を多く含み、抗炎症作用があるため肌荒れによい
  • スイートアーモンド油 … 肌への浸透性が高く乾燥肌によい。マッサージにおすすめ
  • アボカド油 … 栄養価が高く“森のバター”と呼ばれる。他のオイルに混ぜるとよい
  • ホホバ油 … 浸透性がよく保存期間が長い。人間の肌質に似た成分を持ち使いやすい
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シアバター(シア脂)

ハーブ製剤で使われる基剤について 種類と特徴

アフリカに自生するシアーバターノキという植物の種子から取れる油脂のことで、ステアリン酸とオレイン酸が多く含まれています。

ステアリン酸とオレイン酸
  • ステアリン酸 … 肌での滑りや感触をよくする働きがある。皮膚刺激が少なく安全性が高い
  • オレイン酸 … 人の肌と同じ成分といわれる。保湿・刺激から肌を守るなどの働きがある

常温では固形ですが、人の体温で温めれば液状になります。そのため「オイル」ではなく「バター」と呼ばれます。

植物油よりも飽和脂肪酸が多く、比較的酸化に強い特徴があります。

基材としてはスキンケア、ヘアケア、ボディケア各ケア用品に使え、ハンドクリーム、リップクリームなどの材料として活用されています。

また、シアバターはそのまま肌に滑らせて使うこともできます。人肌で温めてなめらかになったら、肌の乾燥している部位や荒れている部位など気になる部分に優しく当ててなじませましょう。

保湿に優れているので、かかとやひじなど硬くなりやすい部位や頭皮のケアに役立ちます。

ミツロウ

ハーブ製剤で使われる基剤について 種類と特徴

ミツバチが巣を形成するときに腹部から分泌するロウ(ワックス)成分のことをいいます。

紀元前5000年頃にはろうそくの原料として利用されていたという、もっとも原始的な天然のワックスです。

熱を与えると溶ける性質があり、ハーブ製剤では軟膏やクリーム剤の材料に、その他ではキャンドルの材料になります。

通常60度~67度くらいの温度になると溶け始めるので、製剤を作る時には固形のミツロウを鍋などに入れて温めましょう。

主な効果としては、抗菌・保湿などがあり、ハンドクリームを作る際に加えると、しっとりとした質感のよいクリームが出来上がります。

グリセリン

アルコールの一種で強い吸湿力があり、肌の潤いを与える成分として知られています。

そのため、保湿をうたった化粧品などには良く含まれる成分のひとつ。

グリセリンは海藻、動物などの脂肪に含まれる成分で、人間の中性脂肪にもグリセリンがあるそうです。無色無臭の液体で、水にもエタノールによくなじむ性質があります。

グリセリンは通常化粧品に含まれていることが多いですが、専門店ではグリセリン単体での販売もあります。ローションなどの手作り化粧品を作る際に加えてみると良いでしょう。

固形にしたものは「グリセリンソープ」という石鹸づくりの材料に使われることもあります。

クレイ

ハーブ製剤で使われる基剤について 種類と特徴

クレイは長い年月をかけて蓄積された土壌から取れる、鉱物(陶土)の一種です。

マグネシウムやケイ素、カルシウム、鉄といったミネラル分が多く含まれており、ハーブ製剤ではパック剤によく使われる基材です。

クレイの効能

クレイの主な効能としては肌の洗浄、肌の引き締め、肌の汚れを吸着させる作用などがあります。

クレイの細かい粒子には、肌に溜まった皮脂を落とし清潔な状態に整える効果があるため、パック剤として使うことで皮膚表面の肌の汚れを落としてくれます。

さらに、クレイ自体に含まれるミネラルなどの栄養素が肌に浸透し、潤いを与えてくれます。

粉末にしたハーブや精油、芳香蒸留水を加えれば香りも良くなり、クレイ以外の有効成分の働きかけも期待できる美肌の強い味方です。

主なクレイの種類にはカオリン、モンモリオナイト、ベントナイト、ガスールなどが挙げられます。種類によって含まれる成分が異なるので、肌との相性をチェックして自分に合ったものを利用すると良いでしょう。

まとめ

チンキや軟膏、湿布といったハーブ製剤に使われる基材についてでした。

近場のスーパーなどでは入手しづらいものも多いので、ハーブ・アロマの専門店やネット通販で探してみてください。

アルコール類以外は安全性の高いものが多いので、量や使い方を間違えなければ自宅で手軽にハーブの製剤が作れます。

基材の多くは長期の保管ができますが、植物油のように酸化しやすい基材もあるので、無駄にしないよう少しずつ購入し使い切ってから次を買い求めるのがおすすめです。

おさらい
  •  … ハーブティーに使われる・精製水や芳香蒸留水もある
  • アルコール … 抗菌作用があり、チンキ剤によく使われる
  • 植物油 … 植物の種子などを圧搾して作る油・種類が多い
  • ミツロウ … ミツバチから取れるロウ・保湿・抗菌に優れる
  • グリセリン … 保湿に役立つ成分・ローションなどに良く含まれる
  • クレイ … 肌の洗浄や引き締めに役立つ鉱物(粘土)・ミネラルが豊富

参考文献

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