お菓子作りによく使われる食材の1つ”ケシの実”。
原料になるケシという植物からはアヘンという劇物が作られたりするので、その成分や栄養素が気になる方も多いようです。
普通に流通している以上毒性はありませんが、メディカルハーブを勉強する人もとってはなかなか興味深い食材だと思うので、実際に使って(食べて)試してみました。
ケシの実(ポピーシード)とは?
ケシの実とは、ケシ科ケシ属のアヘン(阿片)芥子から採取される種子のことです。
お菓子作りの原料としては、「英語のPoppy seed(ポピーシード)」の名でも良く知られていますね。
アヘン芥子というのは種類の名称ではなくて、麻薬のアヘンが取れる種のことを指し、英語ではこれらのケシを総称して「opium poppy(オピウム・ポピー)」といいます。
また、ケシの実はとても小さくて0.2mmほどしかありません。本当に小さく、軽く息を吹きかけるだけで大量に飛び散るので調理の際は扱いには気を付けたいところです。
ポピーシードの種類
ケシの実は黒色のものと、薄い茶色(白)の2種類が販売されています。
黒い方はやや青味があるため「ブルーポピーシード」、白い方は「ホワイトポピーシード」呼ばれて区別されていますが、含まれる栄養素には大きな違いはないようです。
ケシの実にアヘンは含まれる?
ケシの実にもアヘンの成分が含まれるのでは?と思われるかもですが、実際ごく少量のアルカロイド(アヘンなどの成分になる植物成分)が含まれているそうです。
しかし、体に害になる分量でないため、比較的多く摂取しても問題が起こることはないです。
お菓子の材料としてのケシの実
ケシの実はややナッツに似たような香りがあるのが特徴で、炒ると香りが引き立ちます。
焼き菓子やパン、ケーキなどに使われることが多く、混ぜ込むとドットみたいになって見た目的にかわいくなります。
レモンと好相性
ポピーシードはレモンと一緒に使われることが多いようで、レモン風味のパウンドケーキのレシピでケシの実が使われているのを良く見かけます。
上の画像はフランスで作られている「ジェルブレ」というシリアル的なビスケットなんですが、こちらもケシの実&レモンの味。
このビスケットでは特に感じられませんでしたが、お菓子用に販売されているケシの実を嚙んでみると、種子特有のプチプチ感があるのがわかります。
紅茶・ハーブティーともよく合うので、ヌン活で出すお菓子に使ってもいいかもしれませんね。
ケシの実の成分
日本食品標準成分表より、分量 100 g あたりの数値です。主に含まれている成分は下のような感じ。
カロリー (kcal) | 566 |
脂質 | 49 g |
飽和脂肪酸 | 5 g |
ナトリウム | 4 mg |
カリウム | 700 mg |
炭水化物 | 22 g |
水溶性食物繊維 | 1.9 g |
不溶性食物繊維 | 15 g |
タンパク質 | 19 g |
鉄 | 22.6 mg |
マグネシウム | 350 mg |
カルシウム | 1,700 mg |
亜鉛 | 5.1 mg |
銅 | 1.48 mg |
ビタミンB6 | 0.5 mg |
五台栄養素の中では脂質、炭水化物、ミネラルが多いですね。
お菓子作りで一度に使われる分量は基本的に100gもないので、上記よりも摂取できる栄養素は少なくなります。