今まで色々検定を受けてきましたが、今回は東洋医学についての基礎知識を身に着けたいと思い、日本漢方養生協会が主催する「薬膳・漢方検定」を受験してみました。
この記事では実際に検定を受けた時の勉強法・かかった期間・コストなどをまとめています。
薬膳や漢方の情報はネットのニュース記事でもよく見かけますが、検定を通して体系的に学習すればより理解が進むはず。
これから季節の養生法や薬膳、自分で手軽にできるセルフケアを知りたい人の「はじめの一歩」として役に立つ検定です。
薬膳・漢方検定の受験体験談
薬膳・漢方検定の合格率は約9割らしいですが、私はいうほど「簡単」という感覚はありませんでした。
検定テキストに書いてあることは、きちんと覚えないと合格は厳しいです。取り上げられる食材の種類も多いので勉強は計画的に。
「絶対落ちてる…」という感触はなかったものの、

多分受かる?受かるといいな~
くらいの後味でなんとなく合否通知を待っていた記憶があります。
問題を思い出すと前提知識をお持ちでない限り、一夜漬けでの合格はまず無理だと思います。
問題は選択式なので、答えがわからなくてもどれかを選べば4分の1の確率で正解します。オンライン試験ですがWeb上の小さなモニターに自分の顔が映るので、カンニングはできません。
勉強期間
私は試験の2ヵ月前にテキストを読み始めて、1ヵ月前から覚えるための勉強を始めました。
まとまった時間が取れる方はもっと勉強期間を短縮できるでしょう。
テキスト自体は3日もあれば読み切れる量なので、この一冊をじっくり読み込むことで高得点を狙えます。
テキスト・参考書・問題集
薬膳・漢方検定はテキストのみで合格できる検定で、現在参考書や問題集は販売されていません。
テキストの巻末には問題数は多くないものの、章ごとの○×問題、検定問題、模擬試験が掲載されており、この問題群を解くことで腕試しができる仕様になっています。



検定試験でも同じような問題が出題されるので、試験日までに解くのをおすすめします。
合格までにかかったコスト
テキスト代1,760円(税込)+試験料6,500円(税込)= 8,260円
オンライン検定なので特に交通費もかからず、自宅で受験できます。試験は年2回開催なので一度落ちてしまっても、時間を置かずに合格のチャンスがあるのがうれしいですね。
薬膳・漢方検定の勉強法


問題は公式テキストから出題されますし、特に別売りの参考書等もないのでまずはテキストを熟読することが先決です。というよりもテキストだけしっかり読んでいれば合格圏に入れます。
漢方と薬膳の理論が記載されているので、まずはこちらを暗記!
普段の生活で東洋医学の知識に触れる機会が少ないととっつきにくいかもしれないですが、テキスト内では章ごとのポイントがまとめられているので、そちらをまずは頭に入れると「漢方と薬膳の前提知識ってこんなものなんだ~」と理解しやすくなると思います。
- 陰陽論
- 五行説
- 五行配当表
- 気血水 etc
- 四気
- 五味
- 帰経
- 食のバランス etc
陰陽論は二元論の一種、五行説は世界には木火土金水という5つのエネルギーが存在するという理論、五行配当表は五行説で使われる5つのエネルギーを季節や体などの様々なものに当てはめた表のことです。
東洋医学では人の身体は気・血・水の3つの要素からなると考えられています。
四気は食材ごとに4つの性質があるという意味で、五味は薬膳において食材は酸味、苦味、甘味、辛味、塩辛の5つの分類に分けることができるという説です。帰経は食べた食材がどの臓腑に働きかけるかを説明しています。
漢字を覚えよう
中国伝統医学がベースとなっていることもあり、薬膳や漢方で使われる用語はとにかく漢字が多いです。
漢字の羅列に抵抗のある場合は少し構えてしまうかもしれません。
しかし、言葉の意味が分かるのが漢字のメリットでもあります。「薬食同源」「同物同治」とか、なんとなく何言ってるかわかるような気がしませんか…?
薬膳・漢方検定の問題は選択式ですが、わからない言葉がないようにしておくのが試験時に戸惑わないコツです。
レシピやおすすめ薬膳を活用する
テキストには薬膳のレシピ、おすすめ薬膳も少し掲載されているので、実際に作って体験して覚えるのもいいですね。
私はジャスミンティーとにんにく&胡桃のパスタを作ってみました。どちらもおいしかったですよ♪
薬膳・漢方で使われる東洋思想(五行論・陰陽論など)をしっかり覚えると点を取りやすくなる。
食材の特徴は四季(+土用)や旬、色を意識すると、特徴が掴みやすい。
薬膳・漢方検定についてのデータ
| 受験場所 | オンライン |
| 試験日程 | 通年2月・9月ごろ(年2回) |
| 受験資格 | 誰でもOK。 |
| 受験料 | 6,500円(税込) |
| 受験方式 | 選択式回答式 |
| 必要なもの | 受験番号など試験前に通知されている情報はメモしておきましょう。 |
これから受ける人におすすめな薬膳・漢方検定の勉強法は?


検定対策講座
仕事や学業や忙しくてあまり勉強を継続できなさそう、誰かから教えてもらいたい!という場合は有料の検定対策講座もあります。
講師から要点を聞くだけでも理解度はぐーんとUPしますし、目と耳の両方を使うため覚えも良くなるでしょう。短期間で学習を進めたい人はこちらも検討してみては。
漢方・薬膳の講座を受講してみる
漢方や薬膳(特に薬膳)をこれから本格的に勉強することを考えている場合は、国際薬膳師などの資格取得を目指せるスクールに通うのもアリではないかと思います。
薬膳・漢方検定は入門なので話が飛躍してしまうかもしれませんが、時間やお金に余裕がある場合は、本格的な薬膳の勉強をしながら薬膳・漢方検定を受け、上位資格である漢方養生指導士も一緒に取得するという道も考えられそうです。
薬膳が学べるスクール
薬膳・漢方検定はこんな人におすすめ
- 薬膳・漢方に興味がある
- 東洋医学・思想に興味がある
- 健康に役立つ食事・過ごし方を知りたい
- その季節に食べるべき食材について知りたい
- 小さな不調のセルフケア方法が知りたい
- 漢方養生指導士の資格を取得したい
薬膳・漢方とは?
薬膳と漢方は中国伝統医学から生まれた養生法です。
現代医学では解決できない課題を補う「補完療法」「代替療法」の一種でもあり、今後も注目が高そうな分野です。
二つの違いについてざっくりまとめると、薬膳は日常的に食される「食材」を使って体質改善・免疫力を高めることを目指すのに対し、漢方は主に「生薬」を用いて不調を治したり予防したりすることを目的としています。
そのため本来薬膳と漢方は方向性が若干異なるのですが、元が同じ東洋思想から生まれたため基礎的な部分は内容が被るところもあります。



薬膳・漢方検定は一粒で2度おいしいのですね。
薬膳とか漢方ってなんか難しそう?
漢方と薬膳という言葉からはなんとなく薬っぽいイメージを持つかもしれないですが、実際にはスーパーで売っているような身近な食材だけでも実践できることも多いです。
東洋医学とはあまり関連のなさそうな、牛乳やハチミツも薬膳では大切な食材なのだそうですよ。
また、実は旬の食材を普段の料理に取り入れるだけでも薬膳的な食事になります。
例えば夏は体を冷やす働きのある夏野菜を、冬は体が温まるショウガやニラを使って料理…。よくあることで、特別なことではないですよね。
電子書籍や髪の本でも薬膳の本はたくさん販売されており、簡単に始められるのでさらっと挑戦してみてください。
まとめ
近年の健康意識の高まりによって、健康のために漢方・薬膳を学ぶ人が増えているそう。
私が受験したときも試験の画面上では見えませんでしたが、結構たくさんの受験者がいたのではないかな~と思っています。
始めの方でも書きましたが、公式によると薬膳・漢方検定の合格率約9割とのことなので、客観的に見て難しい試験ではないはずです。
が、甘く見ると落ちるかもしれないので、五行配当表や五味の働きなどはしっかり覚えていった方がよさそう。
自宅で気軽に受けられる試験なので、時間の有効活用に是非どうぞ。























