マジョラムの特徴
マジョラムはオレガノに次ぐ香りの強いハーブで、地中海沿岸地域の料理やスパイスミックスによく使われます。
特にイタリア料理ではメジャーなスパイスの1つで、ピザやパスタ、肉料理の香り付けをするときに活躍してくれます。
マジョラムは植物の分類的にはオレガノの仲間で、オレガノにはワイルドマジョラムという別名もあるためよく混同されることも多いですが、香りはマジョラムの方が繊細。生よりも乾燥させた方が芳香が強くなります。
基本的にはスパイス利用しますが、ハーブティーにして水溶性の成分を摂取することもできます。
マジョラムの味・香り
オレガノとよく似ているが、より甘みが強く香りは繊細。わずかな苦味がある。
料理での活用方法
マジョラムの香り自体は強いですが、繊細なため加熱により失われやすいです。そのため、調理の仕上げのタイミング(完成の5分前くらい)で加えるのが良いとされます。
マジョラムが良く使われる料理
肉料理と相性が良い
マジョラムは料理の中では肉料理と相性が良いといわれます。ソーセージやパテ、鶏肉などのロースト、肉詰めなどに使うと繊細な風味が引き立ちます。ソーセージハーブという別名もありソーセージ作りで活躍します。
肉や魚の臭み消しに
香りの強い羊肉やフォアグラの臭みを消したい時に、マジョラムを加えたハーブミックスが役に立ちます。
スズキやクロダイのような臭いの強い魚に粉末のマジョラムを振りかけたり、ハーブのパン粉焼きなどの原料として使うのがおすすめです。
卵料理や豆料理の風味づけに
卵や豆を使った淡白の風味の料理にマジョラムを使うと、香りが良くなります。
オムレツや卵スープ、ミックスビーンズのサラダによく、味が濃い目のチリコンカンや豆のトマト煮に使ってもおいしく食べられます。
スパイスミックス
マジョラムはフランス・プロヴァンス地方の調味料「エルブ・ド・プロヴァンス」や、東地中海~中東のミックススパイス「ザータル」の原料として使われます。
エルブ・ド・プロヴァンス | マジョラム、タイム、オレガノ、ローズマリー、セイボリー、ラベンダー、バジルなど |
ザータル | マジョラム、オレガノ、バジルタイム、タイム、セイボリー、スマック、ゴマなど |
マジョラムを使った主な料理と合わせやすい食材
ソーセージ、パテ、ロースト、肉詰め、魚のハーブ焼き、オムレツ、卵スープ、豆のサラダ、チリコンカン、エルブ・ド・プロヴァンス、ザータルなど
組み合わせやすい素材
食材
アンチョビ、アーティチョーク、豆類、キャベツ、ナス、ニンジン、カリフラワー、チーズ料理、鶏肉、豚肉、魚介類、マッシュルーム、タマネギ、ジャガイモ、ホウレンソウ、カボチャ、トマト、トウモロコシなど
ハーブ・スパイス
バジル、ローリエ、チリ、クミン、ガーリック、パプリカ、パセリ、ローズマリー、セージ、タイム、ペッパーなど
効能・効果
マジョラムのハーブティーは心身のリラックス効果があり、体の強壮にも役立つ働きがあるといわれます。
緊張による頭痛や胃痛、不眠などの症状がある時に取り入れると緊張感が和らぐでしょう。胃腸を刺激して消化促進を促し、腸内ガスを排出させる働きがあります。
- 抗炎症作用
- 鎮痙作用
- 鎮静作用
- 強壮作用
- 利尿作用
- 肝機能亢進作用
使用時の注意点
- 鎮静作用により眠気がでてくることがあるようです。
主なマジョラムの種類
- ホップマジョラム(クレタディタニー)
- ポットマジョラム(シシリアンマジョラム) など
マジョラムの基本情報
学名 | Origanum majorana |
英名 | Marjoram、Sweet marjoram、Knotted marjoram |
別名 | スイートマジョラム、フレンチマジョラム |
和名 | マヨラナ |
科名・属名 | シソ科ハナハッカ属 |
原産地 | 地中海沿岸 |
使用部位 | 種子、花、茎、葉、根 |
マジョラムは地中海沿岸~西アジアが原産地で、パセリやラベンダーと同じくシソ科の植物です。
マジョラムは草丈20~40cmほどの多年草で、丸みのある葉が茎に互生します。花期は6月~7月頃で、種類によって白またはピンクの花が咲きます。
オレガノと区別するためオレガノを「ワイルドマジョラム」、マジョラムを「スイートマジョラム」と呼びます。和名ではマヨラナといいます。
歴史・エピソード
ギリシャ神話では、マジョラムは愛の女神であるアフロディーテ(ヴィーナス)から香りを与えられた植物とされています。
古代ギリシャ・ローマ時代は「幸せのハーブ」といわれ、結婚式で新郎新婦はマジョラムの花冠をかぶったそうです。