バジルの特徴
バジルはインド~東南アジアを原産地とするハーブの一種で、日本でも育てやすいためキッチンハーブとして人気。光沢のある葉と独特の強い香りが特徴です。
ピザのトッピングによく使われているイメージですが、バジルにはいくつかの種類があり、単にバジルという場合は「スイートバジル」のことを指します。バジルの仲間でホーリーバジルと呼ばれる種類は、タイ料理のガパオライスに使われます。
バジルの味・香り
スーッとしたさわやかな香りと、コショウのような辛みがある味。
料理での活用方法
バジルはトマトと組み合わせやすく、トマトを使った料理(トマトスープ、トマトソース、サラダ、煮込みなど)に組み合わせるとおいしくいただけます。
一方でトマトや酸性の食材と一緒に調理すると香りが失われやすいため、風味づけのスパイスとして使う場合は仕上げに使うのがよいそう。刻むと香りが出てきますが、香りが飛びやすくなるので生で使う方が香りを活かせます。
トマト以外ではチーズやニンニク、酸味を加えるならレモン汁が相性の良い食材。松の実などのナッツ類もよく、バジル特有の強い香りを抑えるのでまろやかな風味にしたい時に便利です。
余談ですがトマトを栽培するとき、そばにバジルを植えるとトマトの甘味が増すそうですよ。
バジルが良く使われる料理
イタリア料理に合わせやすい
ピザ
トマトベースのピザソースにおすすめです。トマトとモッツアレラチーズで作る「マルゲリータ」にはバジルの葉が添えられていますよね。葉っぱをまるまる一枚乗せることが多いですが、香りを引き出したければちぎって使うのも良きです。
バジルソース
バジルはニンニク、松の実、オイルなどを混ぜて作るバジルソース(日本ではジェノベーゼソース)にも必須の食材。葉の緑色がきれいで、ピザやパスタに絡ませて食べると見た目も風味も良くなります♪
肉・魚料理にもかけてもOKです。自家製でも簡単に作れるので、バジルを育てたら是非作ってみたい一品です。
調味料
ハーブをお酢やオイルに漬けて作る「ハーブビネガー」「ハーブオイル」にするとバジル風味の調味料になります。オイルの種類に決まりはないですが、オリーブオイルが断然おすすめ。良質なオリーブオイルは抗酸化力に優れ、アンチエイジングによい効果があります。
その他の料理
バジルの香りは臭み消し効果もあるので鶏肉や牛肉、羊肉、ロブスターなど魚介類の臭み消しにも役立ちます。臭いが気になったら、炒め物やローストにバジルなどのスパイスを加えてみては。魚介類を使ったレシピが多く、ヘルシーと評判の地中海料理にもよくバジルが使われています。
他のハーブと一緒に混ぜてハーブチーズを作ったり、乾燥オレガノ・タイム・パセリなどとブレンドしてイタリア料理用のハーブミックスを作るのもおすすめ。バジルの種は水分を含むとぷるぷるとした幕ができるので、スムージーなどに入れてチアシード的な使い方ができます。
ホーリーバジルを使った料理
初めにも書いたように、ホーリーバジルはインド~東南アジア地域が原産地のハーブ。インドでは「トゥルシー」という名でも呼ばれます。
スイートバジルよりもスパイシーな風味で香りが強め。甘味よりも清涼感を感じられます。そのため、肉を使った料理に加えると爽やかな風味になります。
ガパオ
ホーリーバジルを使った定番料理にはガパオライスがあります。タイ語でホーリーバジルのことを「ガパオ」というため、ガパオライスには「ホーリーバジル&ライス」という意味があるわけですね。
「ガパオ」と名のつく料理は多く、他にもタイ風牛肉のバジル炒め「ガパオ・ヌア」や鶏肉のバジル炒め「パッガパオガイ」など様々な派生料理を見かけます。
バジルを使った主な料理と合わせやすい食材
スイートバジル | バジルソース、バジルペースト、バジルパスタ、バジルチキン、カプレーゼ、マルゲリータ、煮込みハンバーグ、マリネなど |
ホーリーバジル | ガパオライス、ガパオ・ヌア、パッガパオガイなど |
組み合わせやすい素材
食材
ナス、インゲンマメ、ビーツ、フレッシュチーズ、ズッキーニ、卵、レモン、オリーブ、エンドウマメ、パスタ、ピザ、ポテト、米、スイートコーン、トマトなど
ハーブ・スパイス
ケイパー、チャイブ、コリアンダー、ガーリック、マジョラム、ミント、パセリ―、タイム、オレガノなど
ホーリーバジル・レモンバジルなどのアジアンバジル
チリ、コリアンダー、ガランガル、ガーリック、マックルライム、ショウガ、レモングラス―、ターメリックなど
効能・効果
スイートバジルは消化促進作用や心身の鎮静作用を持ち、疲れをほぐしリラックスに役立つ働きを持ちます。また、頭の働きを良くして集中力を上げる効果もあるといわれます。抗菌効果により、体内の浄化や料理の保存を良くする働きも期待できます。
ホーリーバジルにも同様の効果があり体の免疫力を高めたり、肺や鼻腔から余分な水分を取り払う効果があるとされます。
- 抗酸化作用
- 抗菌作用
- 食欲促進作用
- 鎮静作用
主なバジルの種類
- スイートバジル
- パープルバジル
- ブッシュバジル
- シナモンバジル
- バジル・パープルラッフルズ
- アフリカンブルーバジル
- レタスバジル
- アジアンバジル(ホーリーバジル・レモンバジル・ライムバジル・タイバジルなど)
バジルの基本情報
学名 | Ocimum basilicum |
英名 | sweet basil |
別名 | バジリコ、スイートバジル、コモンバジル |
和名 | メボウキ(目箒) |
科名・属名 | シソ科メボウキ属 |
原産地 | 熱帯アジア、アフリカ |
使用部位 | 葉、種子 |
歴史・エピソード
バジルの種を水に浸すとぷるぷるとした膜ができます。昔はこの膜を活用して目を洗っていたため、バジルは和名で「メボウキ(目箒)」と呼ばれます。
バジルという名の由来は西洋の怪物「バジリスク」に由来。古代ギリシャ時代は「王様のハーブ」と呼ばれていました。
ホーリーバジルはインドで聖なる植物とされ、神事やお祝い事に欠かせないそうです。アーユルヴェーダでも重要なハーブの1つとして扱われます。