ガーリックの特徴
強壮効果があり頑張る人のスタミナ源ともいえるガーリック(ニンニク)。料理に使ってもおいしく、冷蔵庫に常備している人も多いスパイスですね。
ネギ科の植物で辛みがあるのが特徴。そのままであれば特に香りませんが、傷つけるとガーリックに含まれるアリシンという硫黄化合物が独特の香りを出します。
疲労回復、高血圧予防、がん予防、抗酸化など様々なパワーがあり、特に抗菌力に優れているため料理に使うと防腐効果を発揮します。
ガーリックの味・香り
砕くと強烈で独特な香りを発し、甘みやほのかな苦味がある。刺激が強く、辛みがあります。
料理での活用方法
ガーリックは食材の風味を高めるため世界各国で使われており、塩、胡椒に次ぐ「第三の調味料」と呼ばれます。また、ローストガーリック(焦がしニンニク)も良く知られていますが、本来、焦がすと苦味や酸味が強くなるので自分で作る時は注意が必要になってきます。
自宅で採れたニンニクを使う時は、洗ってから風通しの良い場所に吊るして乾燥させると長持ちします。
ガーリックを砕くと香りが強くなる
生のガーリックは無臭ですが、切ったり砕いたりすると、ガーリックに含まれるアリインという成分が加水分解酵素アリイナーゼの作用によりアリシンに変化。
ガーリックの刺激的な香りはこのアリシンにによって発生します。そのため切ったりせずに、かけらごと加熱すると繊細な風味が残り、ナッツのようなまろやかさのある味になります。
ガーリックが良く使われる料理
野菜料理
好みに合えばどんな料理にでも加えられますが、野菜料理ではソテーや湯通し、サラダなどで活躍します。野菜をすりつぶして作るピューレの材料にするのも〇。
そのほか、薄くスライスした生ガーリックは味噌漬けや醤油漬けにでき、炒ったものをオリーブオイルに漬ければガーリックオイルがつくれます。
他の野菜と一緒にピクルスにするのも良い使い方ですね。葉や茎も炒め物、スープに使えます。
生のガーリック
生のガーリックはすりおろして付け合わせにしたり、サラダに振りかけられます。
ソースやドレッシングとも相性が良く、南フランスで作られるアイヨリソース(ガーリック、オリーブオイル、卵黄を中心に作るソース)や、バジルペーストの材料になります。
ローストガーリック
ローストしたものはジャガイモ料理や根菜類のほか、鶏肉などと一緒に炒めるとおいしくなります。
肉料理の臭み消しに
ガーリックは香りが強いので、肉や魚の臭み消しに便利。通常スライスまたはすりおろしが使われ、食欲増進効果の他、抗菌・防腐作用があるため保存効果が高まります。
ビーフステーキ用の付け合わせ・ソースに、ローストガーリックをブラックペッパーなどと一緒に振りかけると、より香ばしくなります。
調味料
ガーリックは生よりも乾燥させた方が刺激臭が少なくなります。乾燥ガーリックの粉末は「ガーリックパウダー」と呼ばれ、スパイスミックスやガーリックトーストの味付けに活用できます。
乾燥の方が日持ちするので、余ったものは乾燥させると長く使えます。
スパイスではショウガやコリアンダー、レモングラス、チリなどと相性が良く、粉末をカレー粉に混ぜ込むこともできます。
その他
ガーリックを酢(ビネガー)に2週間~1ヵ月ほど浸しておけば、ガーリックビネガーが作れます。
ここでは通常のガーリックについて書きましたが、高温多湿な環境で熟成させた「黒ニンニク」もあります。ガーリックを丸ごと食べる料理はほとんど見かけませんが、ホイル焼きやバター焼きなどにしておいしく食べる方法もあるようです。
ガーリックを使った主な料理と合わせやすい食材
ガーリックトースト、ガーリックオイル、ガーリックビネガー、ガーリックパウダー、ソース類(タルタルソース、アリオリなど)
組み合わせやすい素材
食材
野菜、卵、牛肉、豚肉、鶏肉、魚介類など多くの食材と組み合わせることができる。
ハーブ・スパイス
ほとんどのハーブ・スパイス
効能・効果
- 強壮作用
- 抗酸化作用
- 抗菌作用
- コレステロール低下作用
- 小血小板凝集抑制作用
使用時の注意点
サキナビルというお薬を使用している場合、ニンニクを食べるのは避けるべきとされます。
主なガーリックの仲間
- ヒメニンニク
- ラムソン
- ネギ(グリーンオニオン)
ガーリックの基本情報
学名 | Allium sativum |
英名 | garlic |
別名 | ニンニク、蒜、大蒜、葫、忍辱 |
科名・属名 | ヒガンバナ科ネギ属 |
原産地 | 西アジア~中央アジアと考えられている |
使用部位 | 鱗茎、若葉、花茎 |
原産地ははっきりしませんが西アジア~中央アジアとされ、温暖な気候を好む植物です。
葉は30~60㎝に育ち、日本での旬は6月~8月頃。食用にするのは地下で育つ鱗茎と呼ばれる部位ですが、葉も「葉にんにく」として食べることが出来ます。
歴史・エピソード
紀元前2500年頃の古代エジプトでピラミッド建設に携わっていた労働者たちに、疲労回復のためガーリックが与えられていたそうです。
インドのアーユルヴェーダの書物や、中国漢代の本草書『神農本草経』にも記され、早くからその薬効が各地に使わっていました。アーユルヴェーダでは若返りの効果があるとされています。