クチナシ|料理への活用法・組み合わせやすい食材について【料理用ハーブ&スパイス】

クチナシ|料理への活用法・効果・効能について【料理用ハーブ&スパイス】
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クチナシの特徴

原産地は日本、中国、台湾で、日本でも園芸用植物としてなじみ深い植物です。乾燥させた果実からはクロシンという色素成分が摂れるため、昔からたくあんや栗きんとんの色付けに使われてきました。

生薬名を「山梔子(さんしし)」や「梔子」といい、胸の圧迫感や発熱、黄疸などに効果のある薬として、民間療法的に役立てられることもあります。

クチナシの味・香り

上品な芳香、舌触りはなめらかで苦味と油分がある。

料理での活用方法

クチナシ|料理への活用法・効果・効能について【料理用ハーブ&スパイス】

クチナシはそのまま食べてもほとんど味がしないため、基本的には着色料や染料としての利用が基本です。きんとん、たくあんのほか、ゼリーや麺類などの色付けに用いられます。

クチナシを使う時の基本

黄色色素を抽出して色付けに使う

クチナシには黄色い色素を持つ「クロシン」と「クロセチン」という成分が含まれます。この2つはパエリアなどに使われるサフランにも含まれる成分で、水溶性のため水や湯に浸すと抽出できます。

量によりますが10分~20分ほど抽出するのが良いとされ、黄色くなった抽出液を料理に加えれば黄金色に。果実は色が出たら取り除いておきます。お茶のパックなどに入れて抽出するのもおすすめです。

砕いて使う

他のスパイス・ハーブでもそうですが、成分をより多く抽出したい時は細かく砕いてから料理に使用します。クチナシの色素成分をしっかり抽出したい時は、調理直前に包丁の柄、木の棒などで粒状になるよう砕きます。

クチナシが良く使われる料理

クチナシ|料理への活用法・効果・効能について【料理用ハーブ&スパイス】

漬け物

クチナシはたくあんの着色料として有名で、あの鮮やかな黄色はクチナシに由来します。

たくあんは大根を干すなどして水分を抜いた後に、塩や砂糖、クチナシと一緒に1か月ほど漬け込んで作ります。成分を抽出しやすくするため、細かく砕く必要がありますが、クチナシが持つ薬効効果が得られます。

和菓子

サツマイモや栗を加えて作るおせち料理の一品、栗きんとんにもクチナシが使われます。

この時もクチナシからあらかじめ抽出された黄色色素を使って、煮だしを行います。ようかんなどの和菓子と相性が良く、ゼリー、ケーキ、アイスクリームなど洋菓子の色付けに使われることもあるようです。

米料理

米類の色付けにも適しており、黄色の抽出液を炊飯器に加えればサフランライスのような黄色いお米が出来上がります。

クチナシを使った米料理には大分県臼杵市で作られる郷土料理「黄飯」があり、昔祝い事があった際に赤飯の代わりとして生み出されたそうです。

クチナシが使われる主な料理

たくあん、栗きんとん、芋きんとん、栗の甘露煮、芋の甘露煮、ようかん、黄飯など

効能・効果

クチナシの黄色い色素成分・クロシンはカロテノイド色素の一種で、抗酸化作用があるといわれます。また、クチナシには気の昂りを抑えて不安や不眠の症状を和らげる働きを持つと考えられ、昔から心を落ち着かせるのに役立てられてきました。胆のうや胃腸の働きを良くする作用もあるといわれます。

  • 鎮静作用
  • 解熱作用
  • 消炎作用
  • 止血作用
  • 健胃作用
  • 胆汁分泌促進作用
  • 整腸作用
  • 緩下作用

使用するときの注意点

下痢の症状がある時は注意。

クチナシの基本情報

学名Gardenia jasminoides
英名common gardenia
別名ガーデニア、サンシシ(山梔子)
科名・属名アカネ科クチナシ属
原産地中国、日本、台湾
使用部位果実、花、茎、葉

クチナシはアカネ科クチナシ属の常緑低木で、高さ1m~5mに育ちます。6月~7月頃に咲く白い花にはジャスミンのような甘い香りがあり、花後につく2 cmほどの果実を乾燥させたものをスパイスにします。

歴史・エピソード

クチナシの名は、果実が熟しても開かないことから「クチナシ(口無し)」と名付けられたといわれます。

乾燥した果実からは黄色の染料がとれるため、飛鳥時代から酢や木杯と一緒に布の染色に用いられてきました。

ハーブ・スパイス類の過剰摂取は避けましょう。

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