オールスパイスの特徴
オールスパイスはジャマイカなどカリブ海周辺で採れるスパイスで、シナモン・ナツメグ・クローブを混ぜたような香りを持つのが特徴です。そのため「すべてを持った胡椒」的な意味でオールスパイスと呼ばれるようになりました。
別名をスペイン語名由来の「ピメント」や「ジャマイカペッパー」といいます。
オールスパイスはジャマイカ産のものが最もよいといわれ、ハンバーグなどのひき肉を使った料理、ピクルスやソーセージなどの保存食、シチューやカレーなどの煮込み料理に使われます。
オールスパイスの味・香り
クローブ、シナモン、ナツメグを混ぜたような香りと味がする。甘みと苦さが混じった味。
オールスパイスの料理での活用方法
日本ではそこまでメジャーではありませんが、カレー粉の原料の1つで他国では使う機会が多いといわれます。
特に食材を選ばずに使え、基本的には料理の完成後ではなく調理時に使って香りづけにします。
煮込み料理で良い香りに
オールスパイスはスープ、ソース、シチュー、カレーなどに出して作る料理に使うと香りが引き締まります。
スパイスカレーやビーフシチュー作りに使ってみては。肉・魚・野菜どの食材でも使えます。
肉・魚の臭み消しに
オールスパイスは肉や魚に使うと消臭効果があります。ソーセージやミートソース用のスパイスにしてもOK。
ハンバーグに使われるナツメグの香りがあるので、ナツメグの代用品としてパテやハンバーグなどに練りこんで使う方法もあります。
ピクルスやザワークラウトなどの漬け物料理に
野菜のピクルス・ザワークラウト、魚やお肉のマリネにオールスパイスを加えられます。辛味が欲しければ唐辛子やマスタードを、爽やかさが欲しければタイムやディルシードなどを一緒に加えるとおいしさUP♪
スペインのエスカベーチェ(魚の唐揚げの酢漬け)に使われるマリネ液にもオールスパイスが使われます。
デザート・菓子づくりにも活躍
シナモンの香りがするのでケーキやクッキー、デザート、和菓子にも便利です。
粉末を生地に練りこむことでスパイシーな風味に。オールスパイスにはリンゴやカシスの香りを強める効果があるといわれ、ミートパイなどお肉を使ったお菓子とも好相性です。
他の使い方
煮込み以外ではパエリアや肉類のローストにも使う方法も。
ジャマイカにはオールスパイスを使用した「ジャークシーズニングペースト」というスパイスミックスがあり、ジャマイカの伝統料理・ジャークチキンにはこのペーストが用いられます。
オールスパイスを使った主な料理と合わせやすい食材
スープ、ソース、シチュー、カレー、ソーセージ、ミートソース、ケチャップ、エスカベーチェ、パエリア、ジャークスパイスミックス、ハンバーグ、ステーキなど
組み合わせやすい素材
食材
ナス、ほとんどのフルーツ、カボチャ、サツマイモ、根菜類など
ハーブ・スパイス
チリ、クローブ、コリアンダー(種子)、ガーリックなど
効能・効果
オールスパイスは体を温める働きがあるため血行促進に良く、神経痛やリウマチの痛みを和らげるといわれます。
基本的に体が温まると免疫力がUPするので風邪予防の効果も。クローブと同じオイゲノールという成分が含まれ殺菌力に優れます。
他にも消化器を刺激して消化促進を促したり、腸の調子を整えて満腹感を解消させるのにも良いとのことですよ。
- 抗菌作用
- 殺菌作用
- 抗酸化作用
- 消化促進作用
- 鼓腸抑制作用
オールスパイスの基本情報
学名 | Pimenta dioica |
英名 | allspice |
別名 | ジャマイカペパー、ピメント、三香子、西洋コショウ |
科名・属名 | フトモモ科ビメンタ属 |
原産地 | 中南米 |
使用部位 | 種子(未熟な果実) |
オールスパイスはインド諸島や中南米周辺に生息するフトモモ科の高木です。
熱帯~亜熱帯の温かい地域で育つ植物で、樹高5~10mほどに成長し枝には披針形の葉が生えてきます。円形の果実と葉も香辛料になり、実がまだ未熟なうちに枝ごと収穫し乾燥させてスパイスにします。
歴史・エピソード
アメリカ大陸が発見されるよりも前から、カリブ海周辺では保存食にオールスパイスが使われていました。
コロンブスは彼が探していた胡椒と間違えてオールスパイスをスペインへ持ち帰ったため、「ピミエンタ(スペイン語で胡椒)」と呼ばれるようになったそうです。