セージの特徴
セージはハーブの一種で独特の香りがあるのが特徴。特に生葉はとてもよい香りがします。
伝統的にソーセージなどの肉類の加工品に香りをつける際に用いられてきたため、ソーセージの「セージ」は、このハーブの名前に由来して名づけられたといわれています。
料理や薬用に使われるのは主にコモンセージ(Common Sage)と呼ばれる品種。ローズマリーについて抗菌作用が強いハーブといわれています。
セージの味・香り
スーッとした香りで、若干薬のような苦味がある。ヨモや樟脳のようなツンとしたた強い香りで渋味や苦みがある。
料理での活用方法
セージは、爽やかさの中に苦味があるような個性的な香りがします。料理中で多く使うと風味にクセが出てくるので、量は控えめに。生の葉にある苦味や渋みは、加熱すると甘くなる特徴があります。
また、セージの苦味には消化や胆汁の分泌を促進する働きがあり、油分の多い食事と一緒に取ると食べ物の消化を助けます。そのため、油が多めの肉料理に良いといわれます。
ハーブ・スパイスとして他の食材と一緒に使われるイメージですが、葉はそのままフリッター的に食べるのもありです。
セージが良く使われる料理
肉料理の臭みが気になる時に便利
豚肉や鶏肉のほか、マトンやレバーなどの内臓系料理に使うと肉特有の臭いを取りはらいます。特に豚肉と相性が良く、ポークソテーやイタリア・ローマの郷土料理サルティンボッカに活用しやすいです。鶏肉料理ではソテー、ハーブ焼き、バター焼きに加えておいしく食べられます。
アメリカでは感謝祭の時にタマネギ・ニンジン、ガーリック、セージやタイム、バジル、ローズマリーといったハーブ類を七面鳥に詰めてお祝いします。
日本で見る機会は少ないですが、ウサギ肉やガチョウ肉、中東の料理カバブにも用いられるとのこと。生・乾燥セージどちらも刻んで同じように使えます。
加工食品の香り付け
セージは消臭効果だけでなく殺菌効果・防腐効果があるため、ソーセージや肉の缶詰など肉類の加工食品にも良く使われています。ソーセージは皮なしでも作れるので、自家製で作る時にセージを加えてみては。
調味料・ドリンク
オイルやビネガーに漬け込めば、香りを移すついでにセージの有効成分を抽出でき、ワインやリキュールに漬け込めば強壮効果のある薬用酒に変わります。
ハーブティーではタンニン、フラボノイドなどの水溶性の成分が抽出できます。セージのティーには神経を鎮めるリラックス効果があり、口内炎やのどの痛みがある時にティーでうがいをすると口内が浄化に効果的。
イギリスでは、紅茶が輸入される前までセージ茶が良く飲まれていたそうです。
その他
セージとバター&塩・胡椒を軽く炒めると、パスタソースが作れます。10分もあれば作れますが、イタリアの料理店でも出されることがある本格料理でもあります。
また、刻んだセージを無塩バターに混ぜ込めば「セージバター」が作れます。バターに香りや味わいを加えたい時にセージをつかってみるとよいでしょう。
セージを使った主な料理と合わせやすい食材
ポークソテー、サルティンボッカ、ソーセージ、七面鳥(ローストターキー)、セージとバターのパスタ、セージバターなど
組み合わせやすい素材
食材
豚肉、バター、リンゴ、タマネギ、乾燥豆、チーズ、トマトなど
ハーブ・スパイス
ローリエ、キャラウェイ、ガーリック、セロリ、ショウガ、ロベージ、マジョラム、パプリカ、パセリ、セイボリー、タイム
効能・効果
セージは抗菌や抗酸化に優れた作用を持つハーブです。体の浄化にやくだつほか、女性特有の不調・揺らぎを緩和させる働きもあるといわれます。
- 殺菌作用
- 収れん作用
- 消化促進作用
- ホルモン様作用
- 抗酸化作用
- 神経強壮作用
- 鎮痙作用
主なセージの種類
- パープルセージ
- クラリセージ
- ゴールデンセージ
- パイナップルセージ
- ブラックカラントセージ
- トリコロールセージ
- グリークセージ など
セージの基本情報
セージは地中海沿岸が原産のハーブで、高さは60㎝ほどに成長する多年生の低木です。温暖な気候・乾いた土を好み、薄く灰色がかった緑色の葉からは独特の爽やかな香りがします。
初夏になると紫色の房状をしたきれいな花が開花。初夏~梅雨時期にかけて多くの葉を収穫できるハーブです。
学名 | Salvia officinalis |
英名 | Common Sage |
別名 | 薬用サルビア |
科名・属名 | シソ科アキギリ属 |
原産地 | 地中海沿岸、ヨーロッパ、アジア |
使用部位 | 地上部 |
歴史・エピソード
古代ギリシャ時代には既に薬用されており、ローマ時代までに強壮薬、咽頭炎のうがい薬、利尿剤、止血剤などの用途で処方されていました。
抗酸化作用が高く、イギリスのことわざには「長生きしたければ5月にセージを食べなさい」という言葉があり、中世以来長寿のハーブとして尊重されてきました。