花椒|料理への活用法・組み合わせやすい食材について【料理用ハーブ&スパイス】

料理, 食材
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花椒の特徴

花椒(かしょう/ホアジャオ)は中華料理、特に四川料理を特徴づけるスパイスで、鮮やかな赤色と舌がしびれるような辛味があることで知られます。

日本の伝統的な調味料の山椒と同じミカン科・サンショウ属の仲間で、共にミカンの香りがしますが、基本的に山椒よりも花椒の方が刺激が強いです。

スパイスになるのは花椒の果皮の部分。乾燥させた果皮は生薬として胃の不調や鎮痛にも使われます。割れた赤い果皮がまるで花のように見えることから花椒と呼ばれるようになったそう。中国では花椒のほか「蜀椒」「椒紅」という名前があります。

花椒の味・香り

ミカンに似た爽やかな芳香。ピリリとした辛みとしびれ。清涼感のある香りと、ピリッとした辛み

料理での活用方法

花椒|料理への活用法・効果・効能について【料理用ハーブ&スパイス】

花椒は他の多くのスパイスと同じく粉末にすると香りが飛びやすくなるので、ホールで購入して使う時にミルなどで細かく砕いて使うのが良いとされます。

簡易のミル付き容器の瓶も販売されているのでそちらを選んでも良いですね。

密封して冷凍保存すれば長持ちさせることが出来ます。

花椒の主な使い方

生の花椒の実を使う際は、3分ほどドライローストすると香りと少量の油分が引き出せます。冷ました後粉末にすることでスパイスになります。

肉料理の辛み付けに活躍

中国料理の北京ダックや棒棒鶏(バンバンジー)、肉のロースト・グリル系料理でシビ辛風味を付けたい時に使われます。中華料理でよく使われる鶏肉や豚肉の臭み消し効果があり、ミカン風味の爽やかな香りが料理を引き立てます。

この香りには食欲増進効果や胃を刺激して消化促進を促す効果があるので、花椒を加えることで食が進むはず。豆類やナスとも相性が良いので、辛めの野菜炒めにもおすすめです。

四川料理で欠かせないスパイス

四川料理は辛さで有名ですね。四川省が発祥地とされる麻婆豆腐、麻婆茄子、担々麵、水煮魚のほか、火鍋など赤さが特徴の料理には多くの場合花椒が含まれています。花椒は唐辛子と共に重要なスパイスの1つで、「麻婆豆腐の味は花椒で決まる」といわれているそうです。

五香粉

花椒は五香粉に必要なスパイスで、クローブ、シナモンと共に重要な位置を占めています。通常五香粉は花椒(または山椒)、クローブ、シナモンと陳皮、スターアニス、フェンネルなどを加えて5種類で構成されており、料理に振りかけるととりあえず中華風の風味になる便利なスパイスミックスです。

から揚げ、中華炒め、ルーローハン、煮卵、角煮、煮込み、春巻き、中華風ピクルスの香りを良くしたい時に使ってみて。

花椒塩

粉末の花椒と塩などを混ぜて作る「花椒塩」もあります。花椒メインで使いたい時はこちらも役に立ちます。花椒塩はシーズニングスパイスとして揚げ物や焼き物につけて食べる方が一般的。五香粉と同じく、唐揚げや中華炒めなどに加えるとシビ辛風味に。

花椒を使った主な料理

花椒|料理への活用法・効果・効能について【料理用ハーブ&スパイス】
花椒を使った主な料理

北京ダック、棒棒鶏、麻婆豆腐、麻婆茄子、担々麵、水煮魚、火鍋、から揚げ、中華炒め、ルーローハン、煮卵、角煮、煮込み、春巻き、中華風ピクルスなど

組み合わせやすい素材

食材

ナス、タマネギ、ネギ、いんげん、ニンニクの芽、マッシュルーム、鶏肉、豚肉、豆腐など

ハーブ・スパイス

唐辛子、ニンニク、クローブ、シナモン、陳皮、スターアニスなど

効能・効果

花椒には柑橘系の香りがあり、この香り成分サンショオールが胃に働きかけて消化を促します。また、胃を含む内臓の粘膜を強化したり、腹痛を改善させる働きもあるとされます。

辛味が体を温めるので、冷え性や肩こりなどがある時にも良く、しびれる辛さが鎮痛に役立つといわれます。

  • 抗酸化作用
  • 健胃作用
  • 消化促進作用
  • 血行促進作用

使用時の注意点

しびれるような辛味があるので辛味が苦手な人、子供は注意。

花椒の基本情報

学名Zanthoxylum bungeanum
英名Sichuan pepper
別名蜀椒、椒紅
科名・属名ミカン科サンショウ属
原産地中国
使用部位果皮

花椒が採れる植物はカホクザンショウ(華北山椒)といい、果皮を食用または漢方などの薬用にして使います。

山椒は雌雄異株ですが、カホクザンショウは雌雄同体。良く育つと5m以上になり、枝には鋭いトゲが生えてきます。葉は「木の芽」と呼ばれる山椒の葉によく似た羽状複葉の形で、葉の縁にはギザギザがあります。

花が咲くのは春3月頃から。花は黄色~黄緑色で、花後に4㎜ほどのコショウの実によく似た果実が実ります。

歴史・エピソード

中国では古代から薬用されており、1~2世紀頃に成立した薬学書『神農本草経』には「蜀椒」という名で花椒のことが記されています。

花椒は小さな実をたくさんつけることから豊穣のモチーフとされてきました。そのため中国では子孫繁栄を願って、皇后の部屋に花椒が塗りこめられたため、皇后の部屋のことを「椒房」というそうです。

ハーブ・スパイス類の過剰摂取は避けましょう。

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