パプリカ|料理への活用法・組み合わせやすい食材について【料理用ハーブ&スパイス】

パプリカ|料理への活用法・効果・効能について【料理用ハーブ&スパイス】
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パプリカの特徴

パプリカはナス科トウガラシ属の多年草で、ピーマンやトウガラシの仲間です。

赤くて辛そうな色をしていますが、トウガラシに含まれる辛み成分のカプサイシンを持たないため、辛さは無く別名「あまとうがらし」「スイート・ペッパー」と呼ばれます。

日本でもよく見かけるパプリカの一大産地として有名なのはハンガリーです。多くのハンガリー料理でパプリカが使われていることに気づくでしょう。

野菜売り場でよく見かける肉厚のパプリカですが、スパイスの原料となるパプリカは品種が異なります。スパイスとしてのパプリカは果肉を乾燥させてから粉末状にしたもので、赤くて果肉が薄い特徴があります。

パプリカの味・香り

パプリカは種類によって風味に違いがあります。果物に似た甘さと酸味を持つ場合が多いですが、スモーキーな香りや辛味が強い品種もあるようです。

料理での活用方法

パプリカ|料理への活用法・効果・効能について【料理用ハーブ&スパイス】

パプリカには赤色色素が含まれており、その赤みが料理に彩を添えるので世界各国で使われています。

中でも鶏肉やジャガイモなどを使った野菜料理でよく見かけ、サラダや炒め物、煮込みなどに使いやすい傾向があります。

やや硬さがありますが、果肉には果汁が多く糖度が高くて子供でも食べやすいのがうれしいポイント。加熱・生どちらでも食べられます。抗酸化や美容に役立つ栄養素が多く、ピーマンよりも栄養価が高いとされます。

パプリカを使う時の基本

パプリカに含まれる赤色色素(カロテノイド由来のカプサンチン、ルテイン)は脂溶性のため、炒め物や焼き物、揚げ物など油を使った料理に使うと摂取しやすくなります。また、加熱しすぎると甘みが減り苦くなってきます。

パプリカが良く使われる料理

ハンガリー料理

パプリカはハンガリー生まれの品種で、ハンガリーの料理には欠かせない食材です。

特に有名なのは「グヤーシュ」と呼ばれるシチュー。パプリカとタマネギ、ニンニクなどの野菜を炒めてから牛肉を加えてじっくり煮込むスープです。

他にも「パプリカーシュチルケ(パプリカチキン)」という鶏肉の煮込み料理もあり、パプリカの甘味が引き立って美味。ハンガリー周辺地域のバルカン半島やトルコの料理でもパプリカが良く使われており、特にバルカン地域では「アイバル」というパプリカのご当地調味料があります。

スペイン料理

パプリカはスペイン料理でも見かける機会が多く、パエリア、ソフレジ(ソフリット)、スペイン風オムレツ、チョリソーなどのスペイン伝統料理にパプリカが使われています。パプリカは肉料理、魚のマリネ、ジャガイモを使った炒め物などに良く、色鮮やかなスペイン料理を特徴づける食材。

スペインでは種類的に辛口の「ピカンテ」と甘みのある「ドゥルセ」に分けられます。

香辛料

香辛料として使われるパプリカは、野菜として活用されるパプリカとは別の品種です。香辛料用は皮が薄いのが特徴。通常辛味はないですが唐辛子のようなピリピリ感のある種類もあり、乾燥粉末にして料理の色付けに使います。

モロッカンスパイスブレンド、ハリッサといった調味料のほか、タジン料理やカレーにも使い道があります。

パプリカを使った主な料理と合わせやすい食材

パプリカ|料理への活用法・効果・効能について【料理用ハーブ&スパイス】
パプリカが使われる主な料理

グヤーシュ、パプリカーシュチルケ、パエリア、ソフリット、スペイン風オムレツ、チョリソー、魚のマリネ、オイスター炒め、ザワークラウト、ラタトゥイユ、パスタ、チヂミなど

組み合わせやすい素材

食材

牛肉、鶏肉、白チーズ、豆類、野菜類、米、サワークリームなど

ハーブ・スパイス

オールスパイス、キャラウェイ、ガーリック、ジンジャー、オレガノ、ペッパー、カルダモン、パセリ、ローズマリー、サフラン、タイム、ターメリックなど

効能・効果

パプリカに含まれる栄養素はβ-カロテンやビタミンC、ビタミンE、カリウムなどで、ビタミンCを壊れにくくするビタミン様物質・ビタミンPも含まれています。そのため、加熱してもビタミンCが失われにくく、抗酸化作用や美肌効果が期待できます。

パプリカの赤いものにはカプサンチン、黄色いものにはルテインといったカロテノイド由来の色素成分が含まれています。基本的にカロテノイドも抗酸化作用を持つため、パプリカは抗酸化作用の高い食材といわれています。

  • 抗酸化作用
  • 整肌作用

主なパプリカの種類

  • ハンガリアンパプリカ
  • スパニッシュパプリカ

パプリカの基本情報

学名Capsicum annuum
英名bell pepper
別名パプリカ(paprika:ハンガリー語)、ハンガリアンペッパー、スパニッシュペッパー、ピメントン、甘唐辛子
和名パプリカ
科名・属名ナス科トウガラシ属
原産地熱帯アメリカ
使用部位果実(種子を除いた果肉の部分)

原産地はメキシコなどの中南米で、15世紀にコロンブスがスペインに持ち帰ったことからヨーロッパでも栽培がおこなわれるようになりました。

パプリカは草丈60~80cmに育ち、茎に楕円形の葉が互生します。初夏になると茎先の葉脈につき、白くてきれいな6枚の花弁を持つ花が開花します。果実が収穫できるのは7~10月頃にかけて。肉厚でパプリカを輪切りにしたと気に見える部屋数は3~4室でベル型の形をしています。

歴史・エピソード

辛くない唐辛子を作ろとしてハンガリーで新しく開発されたのがパプリカです。

ハンガリーの科学者、セント=ジェルジ・アルベルトはパプリカから世界で初めてビタミンCを分離することに成功。1937年にノーベル医学生理学賞を受賞しました。

ハーブ・スパイス類の過剰摂取は避けましょう。

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