オレガノの特徴
オレガノはピリッとした清涼感のある香りが特徴で、和名ではハナハッカといいます。
ハーブに多いシソ科植物のひとつでもあり、地中海沿岸地域の料理やスパイスミックスではよく見かけるオレガノ。イタリア料理ではバジルと共に人気のスパイスで、トッピングに欠かせません。
オレガノが持つ特有の風味は精油に含まれるフェノールカルバクロールとチモールという成分に由来しており、それぞれの濃度によって香りが多少異なってきます。基本的に生葉よりも乾燥の方が強い香りがあります。
オレガノの味・香り
ほろ苦いような清涼感がある。スッキリとした香りとコショウのような刺激と苦みのある味。
料理での活用方法
オレガノはトマトやチーズと相性が良く、イタリア料理と縁の深いハーブです。
イタリアでは最も普及しているハーブといわれ、ピザソース、サラダ、煮込みなどざまざまな場面で用いられています。イタリア料理以外ではメキシコや地中海諸国の料理に使われます。
また、オレガノはシソ科のハーブで最も香りが強いといわれます。同じように味・香りの強い食材と相性が良く、香りの弱い食材と組み合わせるとその芳香をつぶしてしまうため組み合わせには注意が必要です。
オレガノが良く使われる料理
イタリア料理
オレガノは生葉だと青じそのような青臭さがありますが、乾燥させるとすっきりした香りが強くなります。
オレガノの持つ清涼感は魚や肉類の臭み消しに使いやすく、ローストする際に用いると臭消しに。ハーブの中ではバジルと相性が良く、イタリアのトマト料理ではよく一緒に使われています。
イタリアではピザ・パスタ・ラザニア・トマトの煮込み・サラダ・豆料理・ドレッシング・ソース・シチューなど多くの料理で使われており、チーズやキノコ類とも相性が良いため幅広く活用できます。
ピザソースに
トマトソース系のピザとよく合い、ピザの種類でいうとマリナーラなどにも〇。また、ピザスパイスと呼ばれる専用スパイスはオレガノが主成分であることも多く、香りづけには欠かせない食材の1つです。
煮込みに入れるのもよい
煮込み料理などで良く活用されるハーブの束・ブーケガルニ、ハーブソルトなどにして食材に香りを移せます。
メキシコ料理
オレガノは、メキシコなどスペインやラテンアメリカ地域でもよく食されているハーブです。チリパウダーに必要な原料の1つで、パプリカやクミン、チリなどと組み合わせてチリビーンズ、チリコンカンなどのチリ系料理に使われます。
それ以外では豆料理、ブリトータコスのフィリング、サルサ、ミートシチュー、スープやマリネ、ハンバーガーの風味づけに。こちらでも臭み消しの効果が評価され、ラム肉や魚料理に用いられることがあります。
その他
その他の地域では、ギリシャ料理のスブラキ(串焼きの魚)、グリークサラダを作る時に使われます。オイルやビネガーの香り付けにも良く、エール酒の風味付け・保存料にも活用されているようです。
ハーブティーも便利
乾燥させたオレガノで作ったハーブティーは食後に飲むと消化を助け、胃腸の働きを整えてくれます。苦みや渋みがありますが、抗菌効果を持つため口臭予防にも役立ちます。緊張を和らげる作用もあるので頭痛や不安感がある時にもおすすめです。
オレガノを使った主な料理と合わせやすい食材
トマトケチャップ、ウスターソース、ミートソース、チリビーンズ、チリコンカンなど
組み合わせやすい素材
食材
アンチョビ、アーティチョーク、豆類、キャベツ、ナス、ニンジン、カリフラワー、チーズ料理、鶏肉、豚肉、魚介類、マッシュルーム、タマネギ、ジャガイモ、ホウレンソウ、カボチャ、トマト、トウモロコシなど
ハーブ・スパイス
バジル、ローリエ、チリ、クミン、ガーリック、パプリカ、パセリ、ローズマリー、セージ、タイム、ペッパーなど
効能・効果
- 強壮作用
- 消化促進作用
- 健胃作用
- 整腸作用
- 殺菌作用
主なオレガノの種類
- グリークオレガノ
- ゴールデンオレガノ
- メキシカンオレガノ
- キューバオレガノ
- シリアンオレガノ など
基本情報
学名 | Origanum vulgare |
英名 | oregano |
別名 | 和名:ハナハッカ(花薄荷)、中国名:牛至(ギュウシ)、ワイルドマジョラム、コモンマジョラム |
科名・属名 | シソ科、ハナハッカ属 |
原産地 | 地中海沿岸が原産と考えられている |
使用部位 | 葉 |
地中海地域が原産とされるシソ科の植物で、60㎝~100㎝ほどに育つハーブです。茎には2㎝ほどの濃い緑色をした卵型の葉がつき、夏から秋にかけてピンクや紫色の花を咲かせます。
歴史・エピソード
学名のOriganumはギリシャ語で「山の喜び」を意味し、古代ギリシャ時代には薬用植物として需要視されていました。
花言葉では「輝き」「財産」「富」を表すなど豊かさと結びつけられ、新郎新婦の冠にも使われていました。オレガノも同様でヨーロッパではストローイングハーブ(床に蒔いて香りを漂わせる)として殺菌・招集に用いられました。