ホースラディッシュの特徴
ホースラディッシュはアブラナ科セイヨウワサビ属の多年草で、鼻にツーンと来る刺激が特徴のハーブです。和名では「セイヨウワサビ(西洋山葵)」「ワサビダイコン(山葵大根)」と呼び、日本のワサビに似た使い方をしますが、ワサビよりも辛味が強い傾向にあります。
日本でよく見かけるチューブの練りワサビの原料ですが、実はこのホースラディッシュや、からし菜の種子(マスタード)であることも多いそう。生を使う時はワサビと同じようにすりおろしして使用。見た目的にもワサビによく似ています。
ホースラディッシュの味・香り
香りは爽やかで、辛みが鼻を突き抜ける。マスタードのような刺激がある。
料理での活用方法
ワサビやカラシと同じ辛味成分のアリルイソチオシアネートが含まれており、あのツーンとした刺激はこの成分に由来します。さらに、すりおろす過程で刺激が生じると、シニグリンという成分からも辛味が発生。ワサビをすりおろすと目や鼻に刺激を感じるのはこの辛味が原因です。
ホースラディッシュの辛味には食欲増進作用があるので、生の根茎をすりおろしして薬味にするがよく、粉わさびやチューブワサビの原料として使われることもあります。
ホースラディッシュを使う時の基本
時間が経つと辛みが無くなるので、早めに使うこと
ホースラディッシュは白い根茎を持ちますが、時間が経つと茶色く変化してきます。
また、ワサビやカラシのようにすりおろした後、放置していると辛味成分が揮発してしまうので、すぐに使い切るのがベター。
もし辛味が失われてきたら、少量のレモン汁を垂らすとビタミンの作用でまた辛味を引き出すことができます。
ホースラディッシュが良く使われる料理
野菜料理
若葉も食用でき、ジャガイモや根菜類のサラダに加えて食べられます。
ただし、生食よりも下味付けをした方がおいしいという声も。
バター炒めやお浸し、お漬物などにすると食べやすくなります。タマネギやショウガなどと一緒に、酢漬を作る材料にしても〇。
ソース・ドレッシング
ホースラディッシュは、西洋料理で伝統的にローストビーフの付け合わせに用いられます。
ローストビーフを使ったハンバーガーなどのアレンジ例もあり工夫次第で色々とと楽しめそう。また、牛タンや茹でた牛肉にも合わせられることがあり「わさび醤油」的な使い方がされています。
マスタードやサワークリームなどと組み合わせることができるので、辛めのソース・ドレッシングを作りたい時にはうってつけ。砂糖を加えれば甘みもプラスできます。
和食
すりおろしたホースラディッシュと醤油、鰹節などをご飯に一緒におかずにしたり、白身魚の薬味にすることができます。
ホースラディッシュを使った主な料理と合わせやすい食材
和食の薬味、マスタードソース、ワサビペースト、ローストビーフ、クリームソースなど。若葉はお浸しやサラダに。
組み合わせやすい素材
食材
リンゴ、牛肉、ビーツ、脂っこい魚、スモークした魚、ハム、ジャガイモ、ソーセージ、ビネガー、トマトケチャップなど
ハーブ・スパイス
ケイパー、チャイブ、ディル、マスタード、セロリなど
効能・効果
鉄分の含有量が多く貧血予防に良いといわれます。根にはネギ類に多いアリルイソチオシアネートが含まれており、抗菌作用や食欲増進作用があります。葉は消化促進や健胃、痰切りの効果があるとされます。
根
- 抗菌作用
- 食欲増進作用
- 消化促進作用
- 抗炎症作用
葉
- 消化促進作用
- 健胃作用
- 去痰作用
使用時の注意点
- 腎臓の炎症、障害がある場合は使用を避けた方が良いとされます。
- 刺激が強いので、子供には注意が必要です。
ホースラディッシュの基本情報
学名 | Armoracia rusticana |
英名 | horseradish |
別名 | レフォール(フランス語) |
和名 | セイヨウワサビ(西洋山葵)、ワサビダイコン(山葵大根)、ウマワサビ、西洋ワサビ |
科名・属名 | アブラナ科セイヨウワサビ属 |
原産地 | 東ヨーロッパ |
使用部位 | 葉、根茎 |
原産地は東ヨーロッパ~西アジアとされ、ロシアやウクライナなどの草原地帯で自生しているそうです。日本では明治時代に輸入された後、北海道で帰化し栽培もおこなわれています。
ホースラディッシュは高さ60㎝~150㎝ほどに育ち、明るい緑色の葉は60㎝~最大で100㎝の大きさに。食用するのは主に根の部分で、この根は白く細い大根のような形をしています。
歴史・エピソード
古くから珍重されてきたハーブで、ギリシャ神話ではデルフィの神のお告げの中に「金の重さと同じ価値がある」というものがあります。
中世の頃にヨーロッパ各地に広まり、その後、移住者が持ち込んだことでアメリカ大陸にも渡りました。