マスタードの特徴
マスタードというと、チキンナゲットにつける黄色いディップソースのイメージがありますよね。ピリピリとした辛さが食欲をそそります。
マスタードはカラシナ(芥子菜)の種子のことですが、そのままだと辛味がありません。粉末にした後水を加えてねることでアリルイソチオシアネートという成分により初めて辛味が現れます。
日本では日本で良く栽培されているブラウンマスタードが一般的ですが、他にもホワイトやブラックといった種類も。料理への活用法も種類にややよって異なってきます。
マスタードの種類
ホワイトマスタード | 洋カラシ、シロガラシと呼ばれます。和カラシに比べて風味や辛味がマイルド。 |
ブラックマスタード | クロガラシと呼ばれるインド原産のマスタード。刺激的な辛さがあり、南インド料理で良く使われる。 |
ブラウンマスタード | 和カラシ、オリエンタルマスタードとも呼ばれる。日本の練りマスタードはこの種類が多い。 |
マスタードグリーン | 欧米で作られた品種で、種子ではなく葉を食用にする。野菜の一種で辛味がある。 |
マスタードの味・香り
香りはほぼなく、噛むとほのかな苦味の後に、辛みのある刺激を感じる。
料理での活用方法
辛み付けに便利なスパイスですが香りが飛びやすいので、調理の後半から仕上げに使うのが良いです。
マスタードの主な活用方法
マスタードソース
マスタードの定番といえばこれ。マスタードとマヨネーズ、コショウ、醤油などを混ぜて作れる黄色いソースです。
ハチミツを入れると「ハニーマスタード」になり甘辛味に。好みでレモン汁やお酢、ワインなども活用できます。
サンドイッチ、ハンバーガ―、ホットドッグなど野菜と肉を一緒に使った料理におすすめ。それ以外ではソーセージやおでんにも使えます。
練りカラシ
マスタード種子の粉末にハチミツやレモン汁、お酢、酢を入れて練りカラシが作れます。
普通にスーパーで売っているので作る機会は少ないですが、粉末カラシが手に入ったら手作りしてみても良さそうですね。
料理の辛味・香り付けに
マスタードはカレーや肉料理の辛味・香り付けに便利。特に南インド料理では、ブラックマスタード(またはブラウン)がテンパリングやマスタードオイルにフル活用されます。
バターオイルのギーで熱したり、煙が出るほど熱して香りを弱める等料理への工夫も多いので、南インド料理に挑戦するとマスタードマスターになれるかも?
熱い油はアリルイソチオシアネートを発生させるミロシナーゼという酵素の活性化を抑えるため、料理の辛さが抑えられるそうです。
ピクルスなどの漬け物に
マスタードは魚や野菜のピクルス・マリネ用漬け物液でも活躍。他のハーブ・スパイスと混ぜれば風味と辛味がUPします。ハーブビネガーなどの調味料づくりにも使えます。
葉も食べられる
葉も野菜として食べられます。種子同様に辛味がありお浸しや漬け物、サラダなどに〇。トマト、ジャガイモ、クレソン、根菜類と相性が良いです。
マスタードを使った主な料理
マスタードソース、ピクルス、マリネ、サンドイッチ、ハンバーガ―、ホットドッグ、サラダ、パンチフォロン、サンバルなど
組み合わせやすい素材
食材
牛肉、鶏肉、魚介類、キャベツ、カレー、ソーセージ、ハチミツなど
ハーブ・スパイス
コリアンダー、クミン、ディル、フェンネル、フェヌグリーク、ガーリック、チリ、パセリ、ペッパー、タラゴン、ターメリック、ニゲラなど
効能・効果
マスタードにはワサビやタマネギにも含まれるアリルイソチオシアネートという成分が含まれており、優れた殺菌力があります。
この殺菌作用が食べ物の防腐にも役立つため、マスタードシードは料理の保存にも使われてきました。
アリルイソチオシアネートには、食欲増進や消化不良にも良い効果があるといわれます。
- 抗菌作用
- 防腐作用
- 殺菌作用
- 利尿作用
- 健胃作用
主なマスタードの種類
- カラシナ
- アブラナ
マスタードの基本情報
学名 | Brassica juncea |
英名 | Mustard greens |
別名 | ー |
和名 | カラシ(辛子)、カラシナ(芥子菜)、セイヨウカラシナ(西洋芥子菜) |
科名・属名 | アブラナ科アブラナ属 |
原産地 | インド、南ヨーロッパ |
使用部位 | 種子 |
カラシナは中央アジア原産といわれており、高さ2メートル以上に育つ一年草で、根元と茎どちらからも葉が生えてきます。
茎の葉は縁にギザギザがあって葉に互生、春~初夏にかけて茎先に黄色い4枚の花びらを持つ花が咲き始めます。
見た目的には菜の花によく似ていて、河川敷などに群生して花が咲く様子は壮観。日本のカラシナの種子は茶色です。
歴史・エピソード
和辛子と呼ばれるからし菜は日本には弥生時代に大陸から伝わったといわれ、平安時代の『和妙本草』(923年)にも登場します。
15世紀末にコロンブスがアメリカ大陸から唐辛子をヨーロッパに持ち帰るまで、ヨーロッパではマスタードが唯一辛味を付けるスパイスでした。