ターメリック(ウコン)|料理への活用法・組み合わせやすい食材について【料理用ハーブ&スパイス】

ターメリック(ウコン)|料理への活用法・効果・効能について【料理用ハーブ&スパイス】
目次

ターメリックの特徴

インドや東南アジアが原産のスパイス・ハーブで、カレーの黄色はこのスパイスの色素から生み出されます。乾燥させた後粉末にしたものをよく見かけますが生も流通しており、一般には秋に収穫とされるため「秋ウコン」と呼ばれています。

ターメリックの黄色は色素成分のクルクミンによるもので、その苦味にはカレー以外の料理でも色付けに役立ちます。

布や工芸品を染める時の染料として活用されることも。栄養ドリンクの原料になることもあり、健康効果の高いハーブの1つです。

漢方やアーユルヴェーダで活用される

日本では「鬱金(ウコン)」という生薬名の方がなじみ深いかもしれません。

肝臓や胆のうの機能を高める作用があるため、アルコール性肝炎などの予防に効果的なスパイスとされており、漢方では気の巡りを良くして精神を安定させたり血行を良くする働きがあると考えられています。

ターメリックの種類

キョウオウ(春ウコン)ショウガ科の近縁種。ワイルドターメリックとも呼ばれる。辛味と強い苦味があり、精油成分が多いためターメリックよりも薬効が高いといわれる。
紫ウコンガジュツと呼ばれる。ターメリックよりも皮がやや紫がかっており、胃腸薬に配合されることがある。ターメリック・キョウオウと異なり、黄色色素のクルクミンはほとんど含まれない。

ターメリックの味・香り

ほのかに土の香りがあり、やや苦みのある漢方薬のような味。

料理での活用方法

ターメリック(ウコン)|料理への活用法・効果・効能について【料理用ハーブ&スパイス】

伝統的にはインド料理やアジア料理に使われる食材ですが、洋食・和食・中華など多岐にわたって活躍するスパイスです。通常、茹でてから皮をむいて乾燥させた粉末を使います。

料理に黄色い色をつける目的で使われることが多く、肉、魚介類、カレー、パエリアなどの米料理、漬け物、マスタード、たくあんなどの色付けに便利。野菜料理にも使いやすく、味に深みを加えてくれます。

ターメリックを使う時の基本

黄色色素は油で抽出される

ターメリックに含まれる黄色い色素成分は「クルクミン」といい、脂溶性のため料理の際に油と一緒に使うことで溶けだします。煮込みや炒め物などに使うと、料理に色素がしみこんで食材がきれいな黄色に変化します。

よく色素が服などについて落ちないというトラブルがありますが、クルクミンは紫外線で分解される性質を持つため、洗った後に日光に当てると汚れが落ちやすくなるといわれます。

加熱すると風味が良くなる

地中で育つターメリックにはやや土臭さがありますが、加熱すると土の風味が弱まります。炒め物、揚げ物、煮物、スープ、シチューなど熱を加えて作る料理でターメリックを使うと、その香りがあまり気にならなくなります。

ターメリックが良く使われる料理

カレー

カレーの着色料としてカルダモン、クローブ、コリアンダー、クミンなど他のスパイスと一緒に使われます。

ターメリックの粉末からはあまり香りや味を感じられませんが、肝臓の働きを良くする作用があります。たくさん使うと反対に肝臓へストレスを与えるので使用量は少なめに。

スパイスミックス

ターメリックはカレー粉に欠かせません。カレー粉はインドのスパイス・ガラムマサラにターメリックを加えて作ります。(ガラムマサラ:クミン・コリアンダー・カルダモン・シナモン・フェンネル・ナツメグ・カイエンペッパーなど複数のスパイスを使って作るミックススパイス)

ターメリックは他の個性的なスパイス同士を組み合わせる際に、風味のバランスを取ってくれるブレンダーの頼もしい味方。東南アジアではレモングラスやガランガル、タマリンドなど現地のスパイスとブレンドされ、エキゾチックな味わいを表現してくれます。

アジア以外ではモロッコのスパイスミックスでも使われることがあり、ラスエルハヌートにも加えられることがあるそうです。

米料理

インドやインドネシアやマレーシアなどの東南アジアでは、ターメリックで色付けしたターメリックライスが作られます。サフランライスほどの芳香はありませんが、ほのかに香ばしい感じられカレー専門店でもよく見かけます。パエリアやピラフなどの米料理に色付けをしたい時にもおすすめです。

チーズ類

色素成分のクルクミンは油に溶ける性質を持つため、油を使った料理と相性が良く、ヨーロッパではチーズやマーガリン、マスタードなど油を使う食品の色付けに使われます。

その他

ターメリックはそこまで個性的な香りではないので、肉・魚・野菜を使った各料理に使えます。スープやシチューにも使いやすく、ラクサ(東南アジアの麺料理)でも活用されています。

ターメリックを使った主な料理

ターメリック(ウコン)|料理への活用法・効果・効能について【料理用ハーブ&スパイス】
ターメリックが使われる主な料理

カレー、ターメリックライス、ラクサ、マサラ、カレー粉、カレーペーストなど

組み合わせやすい素材

食材

ナス、ホウレンソウ、豆、レンズマメ、卵、魚、肉類、根菜類、米、ココナッツミルクなど

ハーブ・スパイス

チリ、クローブ、コリアンダー、クミン、カレーリーフ、フェンネル、ガーリック、ジンジャー、レモングラス、パプリカ、マスタード(種子)、ガランガル、ペッパー、マジョラム、ラウラムなど

効能・効果

ウコンに含まれる黄色の色素成分・クルクミンが胆汁分泌肝機能を強化し胆汁分泌を促進するため、二日酔いなど肝臓の不調を改善し、毒素を排出する働きを持ちます。

クルクミンには抗酸化作用もあるため、体内の老化を抑え動脈硬化やそれに伴う諸症状の予防にも良いといわれます。

他にも抗炎症作用・鎮痛作用などがあり、漢方では止血や生理痛に用いられます。

  • 健胃作用
  • 強肝作用
  • 利胆作用
  • 消炎作用
  • 止血作用
  • 鎮痛作用
  • 抗炎症作用
  • 胆汁分泌促進作用

使用時の注意点

胃や胆のうの不調がある場合は使用を避けます。

ターメリックの基本情報

ターメリックはショウガ科ウコン属の多年草で、草丈50~1mほどに育ち秋が近くなると白い花を咲かせます。

スパイスとして使われるのは地中にある根茎の部分で、皮は薄い茶色、中は鮮やかなオレンジ色をしています。

学名Curcuma longa
英名turmeric
別名
和名ウコン(鬱金、欝金、宇金、玉金)
科名・属名ショウガ科、ウコン属
原産地インド、東南アジア
使用部位根茎

歴史・エピソード

インドでは紀元前から栽培され生命力の象徴として様々な儀式に用いられました。

アーユルヴェーダでは「天然の抗生物質」と考えられており、その薬効が評価されています。

ハーブ・スパイス類の過剰摂取は避けましょう。

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