タイム|料理への活用法・組み合わせやすい食材について【料理用ハーブ&スパイス】

タイム|料理への活用法・効果・効能について【料理用ハーブ&スパイス】
目次

タイムの特徴

タイムは爽やかな香りがあり、お肉や魚の調理に使いやすいスパイスです。ハーブの中で最も抗菌力の強いハーブとされ、防腐効果があるためソーセージやピクルス、ソースなどの保存食に役立てられてきました。

加熱しても香りが失われにくいので、煮込み料理の風味づけや臭み消しにも使われます。

色々な香りのものがある

通常店頭で販売されている乾燥粉末のタイムは、最もメジャーな「コモンタイム(common thyme)」と呼ばれる種類です。品種によってはレモンやオレンジ系の香りがある種類もあり、タイム全体の品種は350種類以上もあるそうです。

原産地で収穫したタイムは、他の地域よりも強い芳香を持つといいます。

タイムの味・香り

鼻にツーンと来る清涼感のある香り、ほろ苦さのある味。切りっとすがすがしい香りとほろ苦い味。

料理での活用方法

タイム|料理への活用法・効果・効能について【料理用ハーブ&スパイス】

地中海料理では定番のハーブで、肉・魚介類・野菜など食材を問わない使いやすさがあります。熱しても香りが失われにくいのでブーケガルニにも活用できます。

肉や魚介類の臭み消しに使う場合は、粉末を振りかける他、タイムをマリネ液などに浸したり、枝付きの葉を下に敷いてオーブンなどで焼く方法があります。パン粉焼きなどのようにまぶしてから調理するのもおすすめです。

タイムが良く使われる料理

スープ・シチュー

多くのスパイス・ハーブが熱で香りを失いがちですが、この弱点がないタイムはスープやシチューに人気のハーブ。個性が強いハーブ・スパイスとのバランスを取る役割もあり、料理にすっきりとした芳香を与えてくれます。

主な料理ではカレーやポトフ、赤ワインを使った煮込みなどに加えられます。タイムはミートソース系スープで良く見かけますが、トマトとも相性が良いので野菜系のスープにも使えます。

ニューイングランド地方では、クラムチャウダーの伝統的な食材として生のタイムを使うそう。ラテン系料理でもよく使われており、スペイン、メキシコ料理でもスープやシチューに入れて風味づけを行います。

魚料理

タイムは魚の生臭さを消して爽やかな香りを与えることから、ディルやフェンネルと同じく「魚のハーブ」と呼ばれます。

ディルやフェンネルは甘味がありますが、タイムはより清涼感が強いのが特徴。ムニエルや香草焼きにおすすめです。魚介類と一緒に炊き込みご飯に加えることもできます。

肉料理

臭み消し+抗菌効果でソーセージやサラミ、パテなどの加工食品に保存料として加えられます。

バジル、オレガノ、クローブ、ナツメグ、タラゴン、ローズマリー、ミントなど肉の臭み消しに役立つハーブ・スパイスは多いので、好きなものを複数組み合わせてブレンドすると自分好みの香りに。

牛肉との組み合わせが良いですが、豚肉、ジビエ料理など種類問わず活用できます。

その他

フレッシュのタイムはそのまま料理に加えるほか、そのままオイルやビネガー(酢)に漬け込めば爽やかな風味がつきます。

乾燥させたタイムはケイジャン料理、ジャンバラヤなどのピリ辛系料理とも相性が良く、生のタイムはフランスのミックスハーブ「エルブ・ド・プロヴァンス」にも加えられます。

タイムを使った主な料理

タイム|料理への活用法・効果・効能について【料理用ハーブ&スパイス】
タイムが使われる主な料理

クラムチャウダー、カレー、ポトフ、赤ワインの煮込み、ムニエル、香草焼き、ハーブオイル、ハーブビネガー、ジャンバラヤ、エルブ・ド・プロヴァンス、ブーケガルニなど

組み合わせやすい素材

食材

ナス、キャベツ、ニンジン、マッシュルーム、タマネギ、ジャガイモ、豆類、トウモロコシ、牛肉、トマトなど

ハーブ・スパイス

オールスパイス、バジル、ローリエ、チリ、クローブ、ガーリック、マジョラム、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、パセリ、ローズマリー、セイボリーなど

効能・効果

抗菌力が強いので、マリネやピクルスなど生の食材を使った料理に便利です。他にも胃のけいれんを抑えたり、痛みを鎮めるなどの働きがあるといわれます。

  • 抗菌作用
  • 殺菌作用
  • 鎮痙作用
  • 鎮痛作用
  • 消毒作用
  • 防腐作用
  • 鎮咳作用

主なタイムの種類

  • レモンタイム
  • ゴールデンタイム
  • クリーピングタイム
  • キャラウェイタイム
  • コーンヘッドタイム
  • レモンセンテッドタイム
  • ゴールデンクイーンタイム
  • ザータ― など

タイムの基本情報

学名Thymus vulgaris
英名Thyme
別名コモンタイム
和名タチジャコウソウ(立麝香草)
科名・属名シソ科イブキジャコウソウ属
原産地地中海沿岸、西アジア、北アフリカ
使用部位葉、花

タイムはシソ科イブキジャコウソウ属の多年草で、常緑低木の一種です。地中海沿岸を原産とするハーブで、温かく乾燥した土地で良く育ちます。

草丈は15~40㎝ほどで、茎の生え方は立性と匍匐性の2種類に分かれます。1~2㎝程度の卵型をした小さな葉が対生し、春または秋ごろになると紫色のかわいらしい花が咲きます。

歴史・エピソード

紀元前3500年頃のシュメール時代から使われていた歴史の古いハーブです。

ヨーロッパ中世では、タイムが持つ優れた抗菌力に「敵を退ける」効果があると信じられ、タイムの香りを嗅いで厄除け・心身の力づけにしたといいます。

ハーブ・スパイス類の過剰摂取は避けましょう。

「⁺note」のご紹介


ハーブ・植物療法についての限定記事を公開する
新しいコンテンツができました。
無料会員登録&購入で利用できます。

目次