寝たはずなのにだるい、なんとなく気分がすぐれないなど、理由はよくわからないけど不調を感じることってありませんか?
東洋医学ではこの状態を「未病」といい、病気になる前の状態として重要視します。
日々の食事の質や運動不足など、様々な原因で健康が損なわれることがあります。基本的なことばかりですが、日々の生活習慣を見直したい時に実践できそうな方法を10個まとめてみました。
心地よい生活を送るためにできること|食事・運動・睡眠など10個
①朝日を浴びる
静かな朝に早起きすると気持ちいいですよね。
吸い込んだ空気がきれいに感じたり、特に理由がなくても得した気分になります。
実際、「早起きは三文の得」といわれるように、朝早く起きることには多くのメリットがあります。
具体的には心身のリズムを整える、うつ病予防、仕事や学校に行くまでの時間を有効活用できるなどの利点があるので、できれば朝早く起きる習慣を身に付けたいところです。
夜更かしのリスクが減る
眠気を誘うホルモン・メラトニンの分泌は、朝目が覚めてから約14時間後に始まります。
そのため、朝6時に起きた場合は20時ごろになると眠気が出てくるはず。
メラトニンや成長ホルモンのリズムは24時間を周期としているため、朝早く決まった時間に起きることで「夜、寝付けない」というリスクが減ります。
精神を安定させる効果もある
太陽の光を浴びるとの脳内でセロトニンという物質が分泌されます。
このセロトニンは「しあわせホルモン」と呼ばれ、精神の安定を保ったり、幸せや安心感を感じやすくさせる作用があります。
うつ病などの精神病の予防になるので、早起きしてまずは朝日を浴びることが健康なライフスタイルにつながります。
②食事を見直す
日々の食事を見直すことも健康にとっては大切なことですよね。
とはいえ、わかってはいるけど忙しすぎてインスタントやファストフードばかりになっている、栄養バランスが偏りがちという人も多い思います。
ストレスを感じず、簡単に食事を改善できる方法をいくつか挙げてみたいと思います。
パンよりもご飯の方が体に良い
一般的にはパンの方がカロリー、脂質、糖質、塩分量が高くなるため、健康を意識したい時はパンよりもご飯がおすすめです。
パンは消化が良いというメリットがありますが、ご飯の方が腹持ちしやすいためお菓子などの間食が食べたくなるのを避けられます。
野菜や魚をおかずにする
野菜、特に旬のものは栄養価が高く、少量でも多様な栄養を心身に与えてくれます。
肉類も栄養価の高いものが多いですが、動物性タンパク質は植物性タンパク質よりも酸性が高いという特徴があり、血液のpH値が酸性に傾くことで炎症が起こりやすい体質になります。
一方で、魚には不飽和脂肪酸が多く含まれており、魚を食べることで人間の体内で作れないEPAやDHAなどのn-3系脂肪酸を摂取できます。
そのため、肉よりも野菜や魚を優先的に摂ることでより健康的に過ごせると考えられます。
添加物や合成調味料に注意する
食品を買う時はなるべく加工されていない食品や、添加物の少ない食品を選ぶようにします。
化学合成された保存料や着色料、香料などは自然由来でないものが多く、種類によっては発がん性などがあるといわれます。
トランス脂肪酸が含まれるマーガリンやショートニングも避けた方が良いでしょう。
動物性食品ですが、バターであれば必須脂肪酸であるリノール酸やα-リノレン酸が摂れます。価格が高めでもこちらを選んだ方が良いといわれます。
みそ汁や納豆などの大豆発酵食品をとる
植物性タンパク質が多く摂れる大豆や、大豆を使った製品を多めにとると良いでしょう。
みそ汁、豆腐、醤油、納豆、油揚げなど和食ではなじみ深い食品ばかりなので、意識しなくても毎日摂取できている人も多いかもしれませんね。
大豆に含まれるイソフラボンには女性ホルモンに似た働きがあるといわれ、ホルモンの分泌を調整する作用があります。美肌効果もあるといわれるため女性にはおすすめの食材です。
また、大豆製品には発酵させた食品も多く、菌が腸内環境を整えるため腸の不調からくる疾患の予防につながります。
③抗酸化作用のある食品を食べる
赤・黄色・オレンジ・緑など色味のある食材の多くには抗酸化作用があります。
例えば、緑黄色野菜、トマトやパプリカ、ブルーベリーのような赤い野菜/果物、オレンジやレモンのようなオレンジ色・黄色の食材などです。
色素成分 | 成分名 | 主な食材 |
---|---|---|
赤色: | リコペン、クリプトキサンチン、キサントフィルなど | トマト、唐辛子、ニンジン、スイカなど |
オレンジ色: | β-カロチンなど | ニンジン、カボチャ、パセリ、バジルなど |
黄色: | ルテインなど | とうもろこし、ほうれん草、アボカドなど |
緑色: | クロロフィルなど | ブロッコリー、小松菜、わかめなど |
紫色: | アントシアニンなど | ブルーベリー、ぶどう、プルーン、紫キャベツなど |
そのほか、抗酸化によい栄養素として「ビタミンA・C・E」が挙げられます。
例えば、赤~紫色の成分を構成するアントシアニンはビタミンAの一種。
ビタミンCはレモンなどの柑橘類に多く、ビタミンEはアーモンドなどのナッツ類や大豆、卵、カボチャなどに含まれています。
④嗜好品の量に気を付ける
タバコ・お酒、ファーストフード、スナック菓子の摂取量には気を付けるようします。
できればバッサリ断つのが良いのですが、クセになるものが多く栄養価が低いのに、なかなかやめられないという状態になりがちですよね。
身体の害になるものが多いので極力控えめにしましょう。
⑤軽い運動を毎日続けて行う
激しい運動を週に1回だけやるよりも、毎日30分ほどのウォーキングを行った方が健康の維持に役立ちます。
『健康づくりのための身体活動基準2013』によれば18歳~64歳であれば毎日60分、65歳以上であれば毎日40分くらいの運動時間が取れるのが理想的とされますが、なかなか時間が取れないこともありますよね。
しかし、実は多くの人が何らかの形で日々運動をしています。例えば、仕事に行くまでの移動時や家事、掃除、階段の上り下りなどがそうです。
運動には身体能力を維持するだけでなく、不眠や抑うつなど心の病を予防する効果があります。
自分なりに楽しくできる運動の習慣をつけると良いでしょう。
⑥睡眠の質を高める
夜に寝つきが悪かったり、熟睡感がなかったりすると翌朝になってもだるさが残りますよね。
できれば夕食は夜寝る2~3時間前までに済ませましょう。
寝る直前に食べ物や飲み物を摂取すると胃腸が働き始め、眠気が薄まってしまいます。
コーヒーなどカフェインが入った飲み物も厳禁。どうしてものどが渇くときは水を一杯飲むとおなかが満たされます。ただし、トイレが近くなってしまうため量は少なめで。
次の⑦自律神経を休めるの項目でも書いていますが、夜寝る前に緊張感を和らげることで安眠効果を得やすくなります。
⑦自律神経を休める
仕事などの活動後は、寝るまでに緊張状態を和らげ自律神経を休ませるようにします。
身体を活動モードにする交感神経を抑えて、副交感神経を優位にすることでリラックス効果が得られ、心身が休まるとともに入眠しやすくなります。
副交感神経を刺激する方法はいくつかありますが、毎日続けやすくて手軽なのは入浴。
夜寝る数時間前にお風呂に入ることで副交感神経が刺激されて、眠気が出てきます。
緊張感が取れないときは鎮静効果のあるハーブティーを飲むのもおすすめ。夜寝る前のスマホやパソコンは交感神経を刺激してしまうので、避けるようにします。
⑧十分な休養をとる
睡眠の質が高くても、過労で実質的な疲労回復が追い付かないこともありますよね。6時間ぐっすり寝れても、普段から一日中休みなしで活動している状態だと、やっぱり疲れは溜まります。
疲れがたまった状態が続くと仕事や勉強のパフォーマンスも落ちてくることが多いので、積極的な休養を取るようにしましょう。
十分な休養を取ることで、人間が本来持っている自然治癒力を高めることができます。
具体的には軽い運動を兼ねたものが良く、空気のよい場所や自然の多い場所を散策したり、森林浴をすることで運動+リラックス効果が得られます。
肉体疲労があるときは
筋肉痛など肉体疲労の場合は、家でゆっくり体を休めるという人も多いのではないでしょうか。
実は、肉体疲労の時でもストレッチやヨガなどの軽い運動が勧められています。
その理由はストレッチなどの運動が血行促進に役立つため。血行が良くなることで疲れた体に酸素や栄養素を補給し、結果として回復が早まります。
同時に運動で不足したエネルギーや糖質を補う食事を心がけることで、回復力がUPします。
- 糖質 … 白米や根菜類、芋類、果物、ハチミツ、バナナなど
- タンパク質 … 牛乳、大豆食品、卵など
- ビタミンB群(特にビタミンB1) … 豚肉、レバー、ウナギ、大豆、ナッツ類、ほうれん草など
- ビタミンC … 赤ピーマン、芽キャベツ、ブロッコリーなど
- クエン酸 … レモン、オレンジ、梅干しなど
⑨ストレスを溜めない・発散する
現代は「ストレス社会」といわれるほど精神的な疲れが発生しやすい時代です。
ストレスがたまるのが当たり前という環境は問題ですが、仕事・学校・家庭など色々な場面でストレッサー(ストレスを与える要因)に遭遇してしまいますよね。
一般論として、ストレスは自分の中で我慢できる許容量を超えた時に発生します。
ストレスの有無と自律神経は密接に関わり、ストレス状態が続くと眠れない、疲れやすくなる、腹痛・頭痛が起こるなど日常生活に支障をきたしてしまいます。
趣味を楽しむ、たくさん寝る、誰かと楽しく話す、気持ちを吐き出せる場所を作るなど自分なりのストレス発散方法を確保しておきましょう。
⑩体を冷やさない
「冷え」体が冷えて毛細血管が縮み、血行が悪くなった状態のことを言い肌寒い状態が続くことを言います。
「冷えは万病のもと」といわれるように、体が冷えた状態を放っておくと便秘や下痢、肌荒れ、くすみ、頭痛、腰痛、じんましんなどの症状が現れることも。
また、体温が1度下がるだけで免疫力が30%下がるといわれています。
血液に含まれ、ウイルスをやっつける「リンパ球」などの菌は体温が高いと活性化する性質があります。しかし、体内で熱を作る胃腸などが冷えてしまうことで、その働きが悪くなってしまいます。
ブランケットをかける、重ね着をする、靴下をはく、体を温める食事をとるなど簡単なことから冷え性対策を始めてみましょう。
発酵食品(味噌、納豆、醤油など)、根菜類(レンコン、ゴボウ、)、生姜、シナモン、鶏肉、エビ、にんにく、唐辛子、にんじん、カボチャ、鮭、じゃがいもなど
まとめ
生活の質を良くしたい時にできること10個でした。
ここで紹介した内容のひとつひとつは、そんなに難しい内容ではないと思います。
まずは早起きから!ですね。
小さい時から身についた習慣を一瞬で変えるのはなかなか難しいことですが、
例えば「スナック菓子が好きでよく食べる」場合なら、お菓子の代わりに果物を食べる・ジュースを飲むといった習慣に変えていけるのではないでしょうか。
- 朝日を浴びる
- 食事を見直す
- 抗酸化作用のある食品を食べる
- 嗜好品の量に気を付ける
- 軽い運動を毎日続けて行う
- 睡眠の質を高める
- 自律神経を休める
- 十分な休養をとる
- ストレスを溜めない・発散する
- 体を冷やさない