アンジェリカ|ハーブの特徴・効能/効果・主な使い方・歴史 学名の由来や味・香りについても解説

アンジェリカ|植物の特徴・効能/効果・主な使い方・歴史
目次

アンジェリカの特徴・形状

  • 小さな小花をたくさんつけるセリ科の植物
  • ホルモン分泌を調節し、女性疾患の改善に役立てられる
  • 大天使ミカエルとかかわりの深い「天使の草」

 

アンジェリカは和名で「セイヨウトウキ(西洋当帰)」というセリ科の二年草で、ヨーロッパを中心に北欧・東欧・グリーンランド・シベリアまで広い範囲で自生しているそうです。

寒さに強いため、北欧では貴重な野菜の1つとして利用されてきました。グリーンランドの湿地帯に自生するようにもとは寒冷地の植物ですが、北欧からヴァイキングがもたらしたためヨーロッパ各地に広まったと伝えられています。

植物的な特徴

原産地はシベリアで草丈は高さ1m~2m、株張りは1mになり、数あるハーブの中で最も背丈の高い植物として知られています。

葉は明るい緑色の切れ込みのある複葉で、2年目の初夏になると茎の先に黄緑の散形の小花をつけます。

効果・効能

アンジェリカの効能は多く、主に女性特有の症状に効果があることから「女性のための朝鮮人参」と呼ばれています。

根の部分はホルモン分泌を調整する作用があるため更年期障害、月経前症候群などの症状を和らげます。さらに、鎮痙効果と合わせて、生理痛のがあるときの対処にも使われてきました。

また、血行促進作用があるといわれ、冷え性や貧血にも効果があるとされます。

胃液や胆汁の分泌を促す働きがあって消化不良に活用されるほか、利尿・発汗作用があるためデトックス効果が期待でき、発熱・風邪などの症状があるときにも役立つでしょう。痰を取り除く作用もあります。

アンジェリカに含まれるアンゲリカ酸には鎮静作用があり、心の落ち着きを取り戻すため不眠などにもよい効果が期待できます。

適応

胃腸の不調、消化不良、生理痛、月経前症候群、更年期障害、冷え性、貧血など

一般的にハーブは穏やかな作用を持ち、体に無理なく影響を与えますが、必ず効果が表れるものではありません。妊娠中・授乳中、持病がある場合や医薬品を常用している場合は、使用を控えるか、事前に医師の判断を仰ぐようにしてください。

主な作用

  • 鎮痙作用
  • 鎮静作用
  • 女性ホルモン様消化促進作用
  • 子宮刺激作用
  • 血行促進作用
  • 駆風作用
  • 利尿作用
  • 発汗作用

禁忌・副作用

  • 女性ホルモンの分泌に影響があるため妊娠中の人は使用を控えてください。
  • 糖尿病時の使用、多量摂取も避けてください。

安全性・相互作用

相互作用クラス1…適切な使用において安全
安全性クラス2b…妊娠中に使用しない
『メディカルハーブ安全性ハンドブック第2版』より

アンジェリカの主な使い方

使用部位
  • 花、葉、茎、種子も活用できる

アンジェリカは主にハーブティー、料理、精油に使用されています。

ハーブティー・飲用

ドライの葉や根を用いたティーは免疫力を高め、消化促進を促します。風邪の時に飲むのが良いですが、苦味があるため別のハーブとブレンドした方が飲みやすくなります。

また、ティーを飲むとアルコールを忌避する効果が表れるため、お酒を控えたい時の対策にも活用できます。

料理

全草が食用または薬用でき、茎や花はサラダに、葉は苦味があるものの、水にさらした後に茹でることで野菜として食べることができます。固い茎の部分は砂糖漬け(クリスタル・アンゼリカ)にして、ケーキや菓子の飾り付けに使用されていました。

種子は炒ってパンやビスケットに入れたり、シャルトリューズ種などの薬用リキュールなどの飲料に香りづけで用いられることがあります。

精油

精油成分は根の部分に多く含まれ、オールドワレ、オーデコロンにも利用されています。抽出した精油成分はチンキ剤として用いることもでき、内分泌系の調整、強壮、駆風、鎮痙、利尿・発汗、去痰などの効果が期待できます。

その他

ヨーロッパの植物療法では、苦味強壮薬として滋養強壮に用いることがあります。また、眼精疲労のための目薬として茶剤を外用することもできます。

そのほか種子の部分をポプリにして芳香効果を、ハーブピロ―にすることで鎮静作用による安眠効果を得ることができます。手浴・足浴にすることでリウマチなどの関節痛にも効果的です。

味・香り

スパイシーでやや苦みのある味。強い香りがある。全草に甘味、ほろ苦味と強い芳香がある。

アンジェリカの基本情報

学名Angelica archangelica
英名Garden Angelica
和名・別名セイヨウトウキ(西洋当帰) 、ガーデンアンジェリカ
科名セリ科シシウド属
分類二年草
原産地北ヨーロッパ、シベリア
使用部位葉、茎、種子、花、根
主要成分アサマンチン、クマリン、ビタミンB群、アンゲリカ酸、苦味質、精油など
作用鎮痙、鎮静、消化促進、女性ホルモン様、子宮刺激、血行促進、駆風、利尿、発汗など
適応胃腸の不調、消化不良、生理痛、月経前症候群、更年期障害、冷え性、貧血など

語源・由来

学名うち属名のAngelicaはラテン語のangelus「天使」に由来します。 種小名のarchangelicaは「大天使の」という意味があり、大天使ミカエルにちなむエピソードが基になっています。

歴史・エピソード他

かつては最もよく効く薬草の一つとして知られており、「精霊の根(ホーリースピリットルート)」と呼ばれ万能薬と考えられていました。さらに、中世には聖なる力があるハーブとして、魔除けにも利用されました。「魔女の霊薬」の材料になることもあったそうです。

アンジェリカの由来には有名な伝説があります。内容的には「ヨーロッパでペストが流行したとき、ある修道僧の夢の中に天使が現れ、この植物の根を薬として使うよう伝えた」というものです。この天使は大天使ミカエルで、5月8日の聖ミカエルの日にはアンジェリカが咲くといわれています。

別説にはミカエルがある女性にアンジェリカを授けたため、このハーブと天使が結びついたといわれています。

上記のようなエピソードから、アンジェリカには邪悪なものから身を守る効果があるとされ、「天使の草」と呼ばれていました。また、神聖なハーブとして修道院の庭にも植えられたといいます。

参考文献

目次
閉じる